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Vol.131:2010年2月26日号
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よみタイムVol.131 2010年2月26日発行号
蜷川演出で「ムサシ」公演
井上ひさしとのコラボで
「リンカーンセンター・フェスティバル」7月に

演出家として国内外に名の高い蜷川幸雄とダンサー兼振付家の勅使川原三郎が、今年7月に行われる「リンカーンセンター・フェスティバル」で作品を発表することが決まった。蜷川幸雄は作家・井上ひさしとのコラボレーションによって生まれた新作「ムサシ」(主催:ホリプロ)を公演する。この作品はアメリカ初演となる。主役は若手実力派俳優の藤原竜也。また、勅使川原三郎は新作ソロ「ミロク」を披露することになっている。
 蜷川と勅使川原にとって「リンカーンセンター・フェスティバル」参加は、今回で2度目となる。05年には蜷川幸雄演出・藤原竜也主演の三島由紀夫作「近代能楽集」がフェスティバルのハイライト作品となった。勅使川原は06年にソロ「ボーンズ・イン・ペーシーズ」が観客を魅了した。
 「ムサシ」は、歴史的に有名な2人の侍、宮本武蔵(1584〜1645)と彼のライバル佐々木小次郎(1585〜1612)の決闘がベースとなっており、ベテラン劇作家の井上ひさしが、壮大に、また時には滑稽に描いた大作。
 歴史上は武蔵が勝利を収めたとされている反面、小次郎の死を示す証拠が存在しないことから、井上が考え出したのは6年後、小次郎が鎌倉の寺で武蔵に再度決闘を挑むというストーリー。
 「ムサシ」は09年3月、「彩の国さいたま芸術劇場」で初演され、フェスティバル公演前の5月には、ロンドンのバービカン劇場での公演も予定されている。
 武蔵役を演じる藤原は15歳の時にバービカン劇場で、蜷川作品「身毒丸」で舞台デビューしている。
 一方、勅使川原の「ミロク」は、独特な動きを深く研究したもの。他の作品と同様に、勅使川原の時間と空間のパラメーターをより確実なものとしている。「ミロク」では、彼の爆発的なエネルギーから禅の心を現すような静止まで驚異的な範囲の踊りを堪能することができる。
フェスティバルのディレクターであるナイジェル・レデンは「日本から大物2人がフェスティバルに参加してもらえることを、とても光栄に思っています。日本の洗練された芸術が見られるのは楽しみだ」などと話している。
 同フェスティバルは96年に初めて開催されてから、リンカーンセンターの他プログラムでは目にすることが出来ない、オリジナリティーあふれるプログラムを紹介するフェスティバルとして世界的な注目を集めてきた。14回目となる今年は、50か国以上の国のアーティストによって1000種類以上のパフォーマンスが行われ、うち30作品は新作。近代的な芸術的見解を紹介し、また伝統的な芸術と現代芸術の境界にチャレンジする作品にスポットを当てる事を目的としている。
 「ムサシ」と「ミロク」の公演詳細やチケット情報は、フェスティバルの他のプログラムの発表とチケット販売が開始される3月10日に発表される予定。


井上ひさし

蜷川幸雄

藤原竜也
【経歴】
■井上ひさし

 1934年、山形県東置賜郡川西町(旧小松町) に生まれる。上智大学外国語学部フランス語科卒業。64年からNHKの連続人形劇「ひょっこりひょうたん島」(共作)の台本を執筆。現代的センスによる笑いと風刺で多くの人々に愛された。72年には、江戸戯作者群像を軽妙なタッチで描いた「手鎖心中」で直木賞を受賞。以降、戯曲、小説、エッセイなど多才な活動を続けている。

■蜷川幸雄
 1935年埼玉県川口市生まれる。55年に劇団青俳に入団し、67年に劇団現代人劇場を創立。69年『真情あふるる軽薄さ』で演出家デビュー。現代人劇場と櫻社、ふたつの演劇集団を経て74年日生劇場『ロミオとジュリエット』で大劇場の演出を手掛ける。以後、日本を代表する演出家として話題作を次々と世に送り出している。83年の『王女メディア』でヨーロッパ公演を機会に海外へも進出。96年『夏の夜の夢』、97年『身毒丸』、98年『ハムレット』をロンドンで連続公演、演出家として世界の注目を浴びた。

■藤原竜也
 1982年生まれ。97年『身毒丸』(蜷川幸雄演出)で初舞台を踏む。以後『ハムレット』『ロミオとジュリエット』『近代能楽集』『オレステス』『天保十二年のシェイクスピア』など数々の蜷川演出舞台に主演している。また野田秀樹演出『オイル』『ロープ』、栗山民也演出『かもめ』などの舞台や、映像でも活躍しており、深作欣二監督『バトルロワイアル』、金子修介監督『デスノート』は大ヒットを記録した。

■勅使川原三郎
 ダンサー、振付師、映画家そしてビジュアルアーティスト。美術、彫刻とクラッシックバレエを学び、独自の視点からダンスアートを創り始める。ゴールはダンスの枠組みにとらわれない「新しい美の表現」を探しだすことであり、そして、動き、美術、映画とビデオを混合した新しい表現言語を作り上げること。99年にはバイエルン国立歌劇場バレエ団で「Le Sacred du Printemps」の振付けを手がけた。