2017年3月17日号 Vol.297

MET王道、ポネルの演出
最強キャスティングで登場!
「イドメネオ」


A scene from Mozart's Idomeneo. All Photos: Marty Sohl/Metropolitan Opera


(l to r) Nadine Sierra as Ilia and Alice Coote as Idamante


Matthew Polenzani as Idomeneo


METの伝統的な王道をいくポネルの演出が久々に登場! ポネルは1988年に56歳の若さで他界、その作品がいまだに保存され、上演され続けているとは流石のMET。
そして、指揮台に立つのはこれまMETのレジェンド、レヴァイン。レヴァインは1971年「トスカ」でMETデビューして以来、1975~2016年までMETの音楽監督を約40年に渡って務めた。その間85種類のオペラをなんと約2500回指揮するという偉業を果たした。この「イドメネオ」のMET初演を行ったのもレヴァイン。小澤征爾の後を引き継いでボストン交響楽団の音楽監督を務め、ディズニー映画「ファンタジア2000」の指揮も担当し話題を集めた。METオーケストラとのケミストリーも抜群で、このモーツアルトの名作が蘇る。「イドメネオ」の基ともなっているトロイア戦争直後のクレタ島を舞台に多くのオペラが作られた。古くはモンテヴェルディ「ウリッセの帰還」(1649年)から、ベルリオーズ「トロイア人」(1863年)、リヒャルト・シュトラウス「エジプトのヘレナ」(1928年)、マーヴィン・デイヴィッド・レヴィ「喪服の似合うエレクトラ」(1967年)などがある。
イドメネオは、パヴァロッティ、ドミンゴといった歴代のスパースターが演じた大役だ。ポレンザーニのイドメネオ、息子イダマンテにアルトのズボン役(女性が男性役を演じる)のエキスパート、アリス・クート、恋人イリアには2009年METのオーディションの覇者ネイディーン・シエラ、恋敵エレットラには2012年の「マリア・ストゥアルダ」でエリザベス女王1世に扮し絶賛を浴びたエルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーと最強のキャスティングが組まれ期待が高まる!HDで世界中にも発信される。

▼あらすじ
紀元前1200年頃のクレタ島。国王イドメネオは、ギリシア軍を率い、数年間にわたりトロイア戦争を戦ってきた。凱旋に先立ち、王はトロイア人捕虜をクレタ島に送る。そのなかにはトロイア王プリアモスの娘イリア王女もいた。イリアは、イドメネオの留守を預かって国を治めていた息子のイダマンテと恋に落ちる。だがエレットラ王女もイダマンテに恋をしている。エレットラはトロイア戦争中にギリシア軍の総司令官だったアガメムノンの娘で、父を謀殺した母親のクリュタイムネストラを殺したあと、クレタ島に逃げて来ていた。イドメネオは、帰途嵐に会い海神ネプチューンに、陸で最初に出会う者を生け贄に捧げるという誓いを立て、それと引き換えに命を救ってもらったのだ。ところが最初に会ったのは愛息イダマンテだった。父王が自分を避けていたのは、憎しみからではなく、愛情ゆえであったことを知ったイダマンテは、クレタ島の平和のために進んで自分を生け贄とするよう求める。するとイリアは、代わりに自分が生け贄になると申し出るのだった。イドメネオが息子を生け贄にしようとしたその時、ネプチューンの声が響く―『もしイドメネオが王座を退き、イダマンテとイリアに譲位するのであれば、神々は満足するであろう』と。イドメネオは息子に王位を譲ることに同意し、イリアと結婚させる。民衆は二人の結婚を祝福する。(針ケ谷郁)

IDOMENEO
■3月6日、10日、13日、17日、21日、25日(M)
■ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲、イタリア語上演
■原作:ギリシャ神話を基にしたヴァレスコのイタリア語台本
■初演:1781年1月29日ミュンヘン王立劇場
■演出、舞台美術、衣装:ジャン=ピエール・ポネル
■指揮:ジェイムズ・レヴァイン
■配役:イドメネオ:マシュー・ポレンザーニ
    イダマンテ:アリス・クート
    イリア:ネイディーン・シエラ/イン・ファン
    エレットラ:エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー
    アルバーチェ:アラン・オーピー
■チケット:212-362-6000
www.metoperafamily.org



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