2017年04月14日号 Vol.299

紀元前221年から紀元後220年まで
現代に続く中国文化のルーツ探る
「帝国の時代:秦と漢の中国芸術」


銅車馬(紀元前221年〜206年)Qin Shihuangdi Mausoleum Site Museum, Lintong.Photo: Courtesy Qin Shihuangdi Mausoleum Site Museum


竇綰(Dou Wan)の金縷玉衣(紀元前206年〜紀元後8年)Burial Ensemble of Dou Wan, Western Han dynasty (206 B.C.–A.D. 9). Excavated in 1968, tomb no. 2 (Dou Wan), Mancheng, Hebei Province. Hebei Provincial Museum, Shijiazhuang. Photo: Courtesy Hebei Provincial Museum


Cowry Container with Bulls and Mounted Rider. (206 B.C.–A.D. 9). Bronze, Excavated in 1956, tomb no. 10, Shizhaishan, Jinning,Yunnan Province.Yunnan Provincial Museum, Kunming.Photo: Courtesy Yunnan Provincial Museum


青銅の鏡 (206 B.C.–A.D. 220). Bronze, Excavated in 1952, tomb no. 211, Wujialing, Changsha, Hunan Province. National Museum of China, Beijing. Photo: Courtesy National Museum of China


 メトロポリタン美術館で4月3日(月)から、古代中国の芸術作品を紹介する「帝国の時代:秦と漢の中国芸術」展が開催されている。秦王朝(紀元前221年〜206年)から、漢王朝(紀元前206年〜紀元後220年)に制作された160点以上が展示。兵馬俑の戦士や馬、陶器、工芸品、織物、彫刻、絵画、書、建築モデルなど、中国内32ヵ所の美術館や考古学機関から集められたもので、芸術品としてだけではなく、考古学においても貴重な品々。現代に続く中国文化のアイデンティティーと、人々のルーツを紐解く。
 展示は大別すると「秦王朝」から始まり、「漢王朝の繁栄」、「漢王朝の文化・芸術の多様性」へと続く。
 会場に足を踏み入れると4頭立ての二輪馬車が2対、目に飛び込んでくる。始皇帝陵兵馬俑から出土した「銅車馬(どうしゃば)」のレプリカで、中国を統一した最初の皇帝・始皇帝が、巡察に使用したとされている。その背後に立ち並ぶ弓兵、将軍、馬などの俑(よう)は、広大な土地を支配するために必要不可欠だった皇帝の軍隊を偲ばせる。

 古今東西、権力者たちは「自らの支配が永遠に続く」ことを望むのだが、「死」がそれを阻む。古代中国人は「遺体さえ腐敗しなければ、そのうち魂が身体に戻り、生き返る」と考え、「死体を冷やし腐敗を防ぐ」と信じられていた「玉(ぎょく)」で作った服「玉衣(ぎょくい)」で遺体を覆い、復活を願った。
 会場には、札状にした軟玉(ネフライト)を金のワイヤーで綴り合わせた金縷玉衣(きんるぎょくい) が展示されている。

 アジア諸国やヨーロッパなど、他地域からの影響を受けやすい国境付近では、その文化・芸術が多様化。中国に生息しないライオン像や、海上貿易によってもたらされた資源によって生み出された品物などから、当時の盛んな交易が窺える。
 順路の最後には、漢王朝の勢力がピーク時に制作されたという青銅の鏡が展示。裏側にはドラゴンや鳥、亀の装飾に加え、王国の平和と安全、世代を越えた繁栄を願った碑文が刻まれている。

Age of Empires:Chinese Art of the Qin and Han Dynasties
■7月16日(日)まで
■会場:The Met Fifth Ave.:1000 Fifth Ave.
■大人$25、65歳以上$17
 学生(要ID)$12、12歳以下無料
www.metmuseum.org



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