2017年04月14日号 Vol.299

宮廷の情事とドタバタ喜劇
ロバート・カーセン新演出
「ばらの騎士」


Elina Garanca as Octavian and Renee Fleming as the Marschallin in Strauss's Der Rosenkavalier. Photos by Ken Howard/Metropolitan Opera.


Günther Groissböok as Baron Ochs and Elina Garancc as Octavian


 リヒャルト・シュトラウスは、前衛的で難解、大胆な作風で「サロメ」「エレクトラ」などオペラ界に次々とセンセーションを巻き起こした。
 しかし、続く作品「ばらの騎士」では作風が一変。18世紀ウィーンを舞台に分かりやすい貴族の恋愛喜劇に取り組み、音楽もウィンナ・ワルツ風のクラシカルな古典派へと逆戻りした。
 それ以降、シュトラウスのオペラ創作は「モーツアルトへの回帰」と呼ばれるようになった。
 情緒あふれるホーフマンスタールの台本と甘美なシュトラウスの音楽が結合した本作「ばらの騎士」は、「サロメ」を上回る大成功を収め、初演が行われたドレスデンでは特別列車が運行されたという。
 今シーズンは、スカラ座、ロイヤル・オペラ、ザルツブルク音楽祭など各地で活躍中で、現代を代表するカナダ出身の演出家、ロバート・カーセンによる新演出となる。
 今回は、元帥夫人のエキスパート、ルネ・フレミングと初顔合わせとなるメゾ・ソプラノのスター、エリーナ・ガランチャのオクタヴィアンという豪華なキャストが実現! R・シュトラウスの繊細かつ優雅な音楽に、宮廷の情事とドタバタ喜劇がMETならではの豪華な舞台で繰り広げられる。日常の喧騒を忘れたいあなたに一押しのオペラだ。

▼あらすじ
ハプスブルク王朝下のウィーンが舞台。元帥夫人マリー・テレーズは夫の留守中に、若い騎士オクタヴィアン・ロフラーノ伯爵と情事を重ねていた。ある朝、逢引の余韻に浸っている夫人の部屋に、従兄で好色なオックス男爵が訪ねてくる。新興貴族ファニナルの娘ゾフィーと婚約したオックスは、婚約のしるしである「銀のばら」を婚約者に届ける青年貴族を紹介してほしいと頼みに来たのだった。いたずら心を起こした元帥夫人はオクタヴィアンを推薦するが、「銀のばら」の使者としてゾフィーのもとを訪れたオクタヴィアンはゾフィーと恋に落ちてしまう(婚約のしるしに「銀のばらの造花を届けるという貴族の慣習」とは、台本作者ホーフマンスタールの創作である)。当のオックスは、女装して召使に変装したオクタヴィアンのいたずらにまんまと引っかかり、好色な本性があばかれ婚約を破棄される。元帥夫人も愛し合う若い二人、オクタヴィアンとゾフィーの仲を認め、自分は身を引く。(針ケ谷郁)

DER ROSENKAVALIER 新演出
■4月13日、17日、21日、24日、28日、5月1日、5日、9日、13日(M)
■リヒャルト・シュトラウス作曲、ドイツ語上演
■原作:ホーフマンスタールのドイツ語台本
■初演:1911年1月26日ドレスデン宮廷歌劇場
■演出:ロバート・カーセン
■指揮:セバスチャン・ヴァイグレ
■配役:元帥夫人:ルネ・フレミング
    オクタヴィアン:エリーナ・ガランチャ
    ゾフィー:エリン・モーリー/キャスリン・キム
    オックス男爵:ギュンター・グロイスベック
    ファニナル:マーカス・ブルック
    歌手:マシュー・ポレンザーニ
■チケット:212-362-6000
www.metoperafamily.org



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