2017年06月09日号 Vol.303

人間の肖像をカタチに
総合ディレクター:西山裕之


総合ディレクターの西山裕之


「実は今回、第2弾公演を行うことを、非常に悩んだんです。やりたい気持ちはあっても、なかなかその一歩を踏み出せない部分があったんですよね」
前公演は2015年11月、今作までに約1年半を要したことになる。
「僕は普段、毎月ニューヨークと日本を行き来しながら、ミュージックビデオやライブDVD、コマーシャルなどの映像作品を制作したり、コンサート映像の演出をしているのですが、元々、そこで学んだ技術を自己表現の手段として、舞台化したいと思っていました」
元来、「モノづくり」が好きだという西山。「In the Box」は、そんな彼の「日常」から誕生した。
「アイディアを考えたり、実際に作品を作ることが大好きなんです。仕事でもよく徹夜をしたり、同時期に様々な作品に関わったりと、自分の首を絞めてしまうほどで…ドMだから仕方ないかな(笑)。常に走っていないと不安なのかもしれません」

一つの作品を完成させるまでには、様々な課題をクリアーする必要がある。その中でも資金的な問題は大きいだろう。スタートしても、資金難で立ち消えてしまうケースもある。
「実際、第2弾を作りたいと思い、劇場に何度も何度も足を運び、企画を考えていたのですが、なかなか身を結ばない。気持ちの面でとても辛かったですね」
アイディアはあった。作りたいという想いはあった。だが実現できない。
「そんな時、ふっと初心に返ったんです。『出さないパンチは当たらない!』って」
1年半前、本紙インタビューで、西山が最後に言った言葉だ。ーー出さないパンチは当たらない。行動しなければ、何も進まないーー
「確かに金銭的なことは重要です。普段、僕が仕事でやっているようなことを実行すれば、数千万円、数億円とかかってしまう。でも、低予算でもクオリティーを上げ、面白いことはできるはずです。そのためには何をどう組み立てればいいだろうかと、試行錯誤しながら台本を考えました」
西山は自らを「ドMだから」と笑うが、これは紛れもない反骨精神。負けん気の強さだ。
「もうやるしかない。無理してでも進む、最初の一歩が必要なんです。あとは、仲間を信じて、突っ走って行けばいい」
決断するや否や 、西山は猛スピードで動いた。舞台内容、構成、チケット、宣伝などの詳細をおよそ1ヵ月程で決めた。短期決戦だった。
「普通じゃ考えられないスピードですよね(笑)。諦める人もいるでしょう。でも、『今、作らなきゃ! 今、表現しなきゃ!』という思いが強かった。今後も第3弾、第4弾と、常に新しい作品を作り続けていきたい」
西山の尽きない情熱とエネルギーが溢れ出す。
「継続していくうちに、ニューヨークから新しい舞台を発信する…そんな存在になれたらいいなと思っています」

空間表現の一つとして、国籍、言語、宗教、性別、年齢を超え、新しい感覚で感じ取れる舞台表現を目指す西山。生命力に溢れる肉体表現と最新技術をコラボさせることで新しい空間を生み出そうと試みる。人間の本質探求をテーマとし、独創的で斬新な表現に挑み続ける…それが「In the Box」だ。
「第2段で注目して欲しい部分は、『空間を意識した作品』になっているということです。ダンスパフォーマンスも、サウンドも、テクノロジーも、前作とは全く違った舞台が体験できると思います。みなさんも夢に向かってパンチを出し続ければ、そこには必ず何かが見えてくるはずです」
行動し続けることで、その可能性は無限に広がる。

In the Box 2 - You and Me -
■6月30日(金) 7:00pm / 9:00pm
■7月 1日(土) 6:00pm / 8:00pm
■7月 2日(日) 5:00pm
■会場:LA MAMA -The Club-
 74 E. 4th St. (bet. 2nd Ave. & Bowery)
■チケット:大人$30、学生$20、VIP$100
www.inthebox-nyc.com



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