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よみタイムVol.79 12月21日号
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よみタイムVol.79 12月21日発行号 年末年始特別号

60歳からセールスウーマンに
鈴木かつ子さんが半生記出版



「I Can Do it! 60歳なんて怖くない」 ビジネス社刊 本体価格1500円 ニューヨークの日系書店では約$21+tax「I Can Do it! 60歳なんて怖くない」
ビジネス社刊 本体価格1500円
ニューヨークの日系書店では約$21+tax
 昨年11月、小紙のコラム「人・出会い」(で紹介した80歳にして第一線で活躍する米大手不動産会社「コーコラン・グループ」の現役バイス・プレジデント、鈴木かつ子さんの波乱に富んだ一代記が、このほど日本でビジネス社から刊行された。プロデュースしたのは、経営コンサルタント大前研一氏の姉でエッセイスト大前伶子氏。昨年の小紙記事を読み、「これは日本でもいける。ピンときた」と大前さんの判断で出版が実現した。
 本のタイトルは「I can do it ! 60歳なんて怖くない」副題は「ニューヨークで成功した日本人女性の一代記」。
 4章で構成されていて、現在の鈴木さんの活躍ぶりを軸に、60歳でニューヨークの高級物件を扱う不動産セールスウーマンに転身する際の泣き笑いのエピソードが綴られている。面接試験にまつわるユーモア溢れるエピソードや創業者バーバラ・コーコランとの不思議な出会い。入社後間もなく、バーバラ社長から「私はかつ子に何をしてあげられる?」と聞かれ、即座に「宣伝です」と答える。まだ実績も会社への貢献も何もない新入りのかつ子さんに、バーバラさんがポンと1万ドルを出した。当時の1万ドルは大金だった。金額が大きかったことよりも、信頼されていることに感動して、その場で涙を流したという。日系ローカルのテレビや新聞でも当時スポンサーは大企業が中心だった。そんな中で個人名「鈴木かつ子」という名前を売った。キャッチコピーは短く簡潔「最高の物件をお世話します」。宣伝ということが分かっていた。
 バブルの時は逆に「売らないブローカー」として社内の反感を買った。取引の陰に、危ういものを感じていたからだ。借金をしてまで物件を買う風潮の中、危険を承知で顧客に取引を促すことなど出来なかったからだ。型破りなセールス哲学は、入社して10年、月間トップセールスを記録し実を結ぶ。「私の目はやはり間違っていなかった」のバーバラ社長の労いの言葉にかつ子さんはまた大声で泣いた。
 今、日本では「団塊の世代」と呼ばれる人たちがぞくぞくと定年を迎え、第二の人生を歩み始める姿がニュースになっている。老後に余裕のある人ない人、あり余る時間を持てあます人と様々な人生が待ち受けている。60歳から不動産資格を取りセールスウーマンに転じたかつ子さん。年金に頼るのではなく80歳になった今でも自分の腕と経験で「優雅に」稼いでいる。
 大前研一さんは、自前のCSテレビ番組の中でこの本を高く評価し詳しく紹介している。ひとつの確かな生き方として。波乱に富んだ若き日々の前半も簡潔に書かれていて興味深い。
 本は「I love my job !」と締めくくられている。「100歳まで働く、超現役宣言!」の著者はマンハッタンの一画で、今日も充実した日を送っている。「朝、起きたら自分の身体に感謝、ご先祖様に感謝、周囲の皆さまに感謝、仕事に感謝、それからダンベルを使って毎朝エクササイズを欠かさないんですよ」と「かつ子スマイル。頭が下がる。(塩)