2017年6月9日号 Vol.303

ミスターMET君
中指立てちゃまずい

5月31日のNYメッツのホームゲームで、チームのマスコット、ミスターMETが観客に向かって中指を立ててしまった。硬球ボール頭のこのマスコット、長年メッツファンに愛されている。それだけに中指はまずかった。
ミスターMETの着ぐるみを着る「役者」は何人かいて、そのうちの誰がやらかしたのかは、球団から発表されていない。ただ、「厳重に処分する」とだけ発表された。
通路を通って球場の中に入る際、観客に向かって振り返りざまに中指を立てるミスターMETの姿は、ファンのスマホで録画され、ユーチューブにアップされると、ウィルスがまん延するかのように全国、いや世界中に広まった。
なぜこのミスターMETの中身君、こんなことをしたのかというと、観客から母親を侮辱する罵声を浴びせられたのが原因らしい。ミスターMETの中身君が誰かも知らないファンが、パーソナルなことを言ったとは思えないが、どうやらこの中身君、実生活で母親ともめていたそうで、たまたまの罵声が、その日ミスターMETの中身君の「キレる」ポイントだったのだ。そういえば日本でも喧嘩するときに「お前の母ちゃんでべそ」という。母親というのは人間にとってやはりコアな部分なのかもしれない。
みんながスマホを持つ時代。一昔前なら、同じことをしてもその場にいた何人かが目撃したに過ぎないだろう出来事だと思うと、何となくミスターMETが気の毒ではあるが。
それに、以前ミスターMETの中身をやったことがある男性はニューヨークポスト紙に、「中指はまずいが、気持ちはわかる」とコメントしている。メッツファンというのは、チームが負けているとミスターMETに向かって悪口雑言の限りを尽くすのだそうだ。

警官に殺人罪
ディアロ事件以来

ニューヨーク市警察の警官が、昨年秋、66歳の女性を撃ち殺した事件で、5月31日有罪判決が言い渡された。25年から最高終身の実刑判決を受けたのは、ヒュー・バリー巡査部長(31歳)。この国で、警官が殺人罪で有罪になるのは極めてまれだ。今回は、1999年の警官によるアマドゥ・ディアロ射殺事件以来初の、NYPD警官の有罪判決となった。
この事件は昨年秋、ブロンクスで一人暮らしをするデボラ・ダナーさん宅で起こった。統合失調症を患うダナーさんは、自分で911に電話し警官を呼んだものの、駆けつけた警官らが部屋に入ることを拒み、バットで殴りかかった。そのため、バリー巡査部長がとっさに2発、ダナーさんの胸部に発砲したもの。
有罪判決の理由は、「まずテイザーを使うべきだった」「警官のプロトコールを無視した」というもの。弁護団は逆に、「テイザーでも死ぬことはある」「警官のプロトコールに従った行動」だとし、控訴する構えだ。警官側にも言い分はあるのはよくわかる。ただ、「テイザーでも死ぬことはある」は、控訴理由にならないと思うのだが。

市警分署にATM設置
安全に現金引き出し

NYPDネタのついでにもうひとつ。こちらは名誉挽回ネタ。
5月末、ブルックリンに3ヵ所、マンハッタン(ワシントンハイツ)に1ヵ所、クイーンズに1ヵ所の合計5つの分署に、ATMが設置された。住民が安全に現金を引き出したり、チェックを入金したりできるようにという、NYPDの新しい措置だ。
とりあえず、治安が悪い5ヵ所が選ばれたが、今後市内98の分署に設置される計画だという。
これによって、分署がこれまでのように被害届を出したり、しょっぴかれたりする(!)だけの場所ではなくなる。警官と地域住民が触れ合う機会を増やし、両者間のポジティブな交流を促す機会にもなると、関係者は期待している。



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