2017年11月3日号 Vol.313

非難轟々の家畜車両
まずLで、次はE?

10月末、ついに地下鉄に噂の「家畜車両」がお目見えした。ラッシュアワーに座席をたたみ、もっと人を車両に詰め込もうというMTA(メトロポリタン交通局)の奇策だ。
近年悪化の一途をたどる地下鉄の遅延対策。随分前からMTAが「やるやる」と予告していたもので、その時点で非難轟々。誰ともなく「家畜車両」と呼び始めたものだ。
手始めがL線。確かに、朝の通勤ラッシュ時のLの混雑ぶりはひどく、来る電車を2つ3つやり過ごさなければ乗れないほどだという。しかし、座席をたたんだだけで、つかまるためのつり革やポールが増えるわけではないので、特に背が低い女性などは辛い。
ラッシュアワーだけとはいえ、マンハッタンの中でチョロチョロ地下鉄を乗る人ならともかく、遠方から長時間乗る人にとっては地獄だ。健康な若者ならともかく、高齢者や妊婦は今後、家畜車両でないことを確認してから乗らねば。次はE線にこの家畜車両を導入するというが…。
ニューヨークポスト紙などは、座席がたたまれて座れない乗客を乗せた、ほぼガラガラのL線車両の写真を載せるなど、市民の悪感情をさらに煽らんとしている。ちなみにその写真の説明書きによると、同じラッシュアワーでも、マンハッタンからブルックリン方向は空いているのに、それでも座席はたたまれていたということだ。
ニューヨーク市の人口は、1980年代の707万人から、今は850万人まで膨れ上がっている。利用者は増える一方、地下鉄設備は老朽化の一方。不便になる一方なのに運賃は上がる一方。なんかもっとこう、未来都市みたいな、目からウロコの交通手段がないものか。

血みどろの殺人現場
新エンタメ・アプリ

ハロウィンにちなんだ、ポケモンGOの二番煎じエンタメ・アプリが登場した。今回のよみタイムが出る頃にはハロウィンは終わっているが、アプリがなくなるわけではないし、ちょっと面白そうなので、ここで一席。
昔ニューヨークで実際に起こった殺人現場を、その場所で再現するアプリ「Gruesome Gotham」だ。
1895年、マルベリー・ストリートとブルーム・ストリートの酒場で、マフィアが愛人に喉をナイフで掻き切られた現場とか、同じ年、ブリーカー・ストリートとグローブ・ストリートの角で、男が傘の先で目を貫かれ、それが脳まで突き刺さって死んだ現場とか。
アプリをダウンロードしてその現場に近づくと、ナレーションがスタートしてアプリ上で殺人事件が再現されるという趣向だ。
今のところ、6ヵ所の血みどろ殺人現場がアプリに搭載されているが、評判が良ければ今後もっと増やしていくという。アプリのダウンロードは無料だが、アイフォンなら6S以上が必要。

こちらも大ブーイング
ミッドタウン配達禁止

マンハッタンのミッドタウン、ブルックリンのフラットブッシュ・アベニュー、クイーンズのルーズベルト・アベニューで、ラッシュアワーに配達用トラックの駐車禁止を、もうすぐ試験的に実施すると、ビル・デブラジオ市長が発表した。交通渋滞緩和の目的だが、これも地下鉄の「家畜車両」同様、あちこちからブーイングを食らっている。
ラッシュアワーとはすなわち、朝7〜10時と夕方4〜7時だ。「この時間帯に配達作業が一切できないと商売にならない」と、全米スーパーマーケット協会などが抵抗の構えを見せている。従業員のオーバータイムが余儀なくされるほか、夜中まで住宅街で配達トラックの作業音が響くことになってもいいのかと。
アマゾンなどの配達トラックも制限されるので、オンラインショッパーも不便を強いられるだろう。世の中便利なのか不便なのか、最近よく分からなくなってきた。



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