ミッドタウンの53丁目沿いにある近代美術館は、通称MoMA(モマ)の名で親しまれ、19世紀以降の絵画、彫刻、写真、建築、商品デザインポスターや映画など10万点を超える幅広いコレクションを持つ。フォービズム、キュービズム、シューレレアリズムといった印象派以降の現代美術や、現在活躍中のアーティストの作品も積極的に行っている。主な常設展示の作品に、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの「聖夜月」(1889年)や、パブロ・ピカソの「アヴィニョンの娘たち」(1907年)など。日本人建築家の谷口吉生氏の設計で、建築総工費900億円をかけ増築され、2004年に改装が終了した。美術館の向かい側にある「モマ・デザイン・ストア」には、デザイン性の高い家具やキッチン用品からユニークなお土産品などが揃っている。
Vincent van Gogh
The Starry Night, 1889
Oil on canvas
29 x 36 1/4" (73.7 x 92.1 cm)
Acquired through the Lillie P. Bliss BequestPablo
Picasso
Les Demoiselles d'Avignon, 1907
Oil on canvas
8' x 7' 8" (243.9 x 233.7 cm)
Acquired through the Lillie P. Bliss Bequest
2005 Estate of Pablo Picasso / Artists Rights Society (ARS), New
York
The
New Typography
ザ・ニュー・タイポグラフィー
1920年から30年にかけて、新しいタイポグラフィーのムーブメントがグラフィック・デザインとインフォメーション・デザインを通して、中央ヨーロッパで盛んになり、芸術的でアバンギャルドなデザインへと変化を遂げた。線対称で伝統的なタイプを拒否し、モダニストのデザイナー達は印刷物やポスターに、ブロック体やイラストレーションの要素を取り込み、非線対称の、調和した文字を作成していった。近代美術館の旧ソ連、ドイツ、オランダ、旧チェコスロヴァキアの豊富なコレクションから、ドイツのタイポグラファー、ヤン・チヒョルトの当時に多大な影響を与えた作品などを中心に展示する。(7月12日まで) Theo H. Ballmer
Neues Bauen, Wander Ausstellung des deutschen Werkbundes.
1928
Offset lithograph. 50 1/8 x 35 5/8 (127.2 x 90.5 cm)
The Museum of Modern Art, New York. Gift of The Lauder Foundation,
Leonard and Evelyn Lauder Fund
ピカソ版画展:テーマとその変化
Picasso: Themes and Variations
パブロ・ピカソ(1881
- 1973)の飽くなき好奇心と不屈のエネルギーは芸術の多分野に及び発揮された。今回の焦点となる版画においては、エッチング(銅板に腐食剤)、ドライポイント(銅板を先の尖った道具で直接彫る)、アクアチント(水彩画風:銅板に樹脂と腐食剤)、リトグラフ(石版画)、リノリウム版画(ゴム版に同じ)などそれぞれ異なる技法を模索し、そこから見いだした方向性は絵画と相互に刺激し合い様々なテーマを生んだ。『青の時代』『バラ色の時代』の狭間で生まれた「貧しき食事」は、若い男女の質素な姿に郷愁を感じさせる初期の美しい作品である。晩年の1968年に精力を傾けて集中的に制作した「347シリーズ」(作品数)は様々なテーマの中に去来する過去への思いを写した作品が多く見られ、巨匠の長い人生の重みを載せている。(8月30日まで) Pablo Picasso Frugal Repast, 1904 Etching
Plate: 18 3/16 x 14 7/8" (46.2 x 37.8 cm) Gift of Thomas
T. Solley with Mary Ellen Meehan, and purchase through the
Vincent d'Aquila and Harry Soviak Bequest, and with contributions
from Lily Auchincloss, The Associates Fund, The Philip and
Lynn Straus Foundation_Fund, and John S. Newberry (by exchange)
(C) 2010 Estate of Pablo Picasso / Artists Rights Society
(ARS), New York
女性による写真:近代写真の歴史
Pictures by Women: A History of Modern Photography
近代美術館では貴重な写真のコレクションから、近代から現代にかけて女性のフォトグラファーが撮影した写真の展示会を行なっている。約120人以上のアーティストが参加し、作品数は約200点以上に及ぶ。同美術館が最近例外的に入手した作品や、今回が初の披露となるアンナ・アトキンス、ナン・ゴールデン、ジュディス・ジョイ・ロス、など有名なアーティストの作品が並ぶまたとない機会だ。またアメリカを代表する、浮浪者や服装等作者を撮影した作風で知られるダイアン・アーバスやドロシア・ロンギの名作、ヨーコ・オノ、キキ・スミスなどの著名アーティストらによる写真に関係したインスタレーション・アートも展示。大御所らが名を連ねる展示会だ。(2011年3月21日まで) Nan Goldin (American, born 1953)
Nan One Month After Being Battered, 1984
Silver dye bleach print (printed 2008), 15 1/2 x 23 1/8"
(39.4 x 58.7 cm)
The Museum of Modern Art, New York. Purchase
(C) 2010 Nan Goldin
Contemporary
Art from the Collection
現代アートのコレクション
近代美術館のコレクションの中から約130点の絵画や彫刻、ビデオ、機械などを用いた現代アートの集大成ともいえる展示を開催。1960年代から現代まで年代順に並ぶ設置となっている。デビッド・ハモンス(1969年)の作品や、イタリア出身のピノ・パスカリの彫刻『Machine
Gun』(1966年)から始まり、フマ・ブハブハの壮大なプリントシリーズ『Reconstruction』(2007年)はパキスタン人であるブハブハによってパキスタンの失われた文明を追悼した作品だ。またポール・チャンの『Waiting
for Godot』(2007年)はハリケーンのカトリーナ以後のニューオーリンズでのサミュエル・ベケットの劇の再上演プロジェクトなど、見応えが十分の展示会だ。(2011年9月12日まで) Christopher Wool. Untitled. 1991. Alkyd
paint and pencil on cut and taped board on board, 51 3/4
x 32 1/2" (131.4 x 82.6 cm). The Museum of Modern Art,
New York. Gift of Werner and Elaine Dannheisser. (C) 2010
Christopher Wool.