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 よみタイムについて
 
 
針ヶ谷郁:武蔵野音楽大学卒業。NYダルクローズ・スクールで音感教育を学び資格免許を取得。02年アーティスト・インターナショナル主催のオーディションで特別賞を受賞し、マーキン・ホールでNYデビュー。05年「日米開国150周年記念コンサート」に参加しガーシュウィン作曲「ラプソディー・イン・ブルー」をカーネギー・ザンケル・ホールで演奏。その他、ウェストチェスター・オーケストラと共演。また、99年より音楽の友社「グランド・オペラ」誌、02年より「音楽の友」誌の海外レポートにレギュラー執筆を始める。プラシド・ドミンゴ、五嶋龍などをインタビュー。87年よりNY在住。
よみタイムVol.174 2012年1月27日号掲載
エルナーニ
イタリア人の愛国心をかきたてた
ヴェルディ初期の傑作オペラ

原作はヴィクトル・ユーゴの戯曲「エルナーニ」。 この作品は、当時ミラノのスカラ座の最大のライバルであったヴェネツィアのフェニーチェ劇場からヴェルディが委嘱されて制作したもの。初演は1844年に行われ、「カスティアの獅子を目覚めさせよ」という愛国的な合唱曲がイタリアの人々の心を大きく捕らえ、大成功を収めた。若き美女エルヴィーラ(ソプラノ)役を射止めたのは、今シーズンの初日を飾り、メット初演となったオペラ「アンナ・ボレーナ」でアンナ・ネトレプコとタイトルロールを分け合った新星アンジェラ・ミード。メットのオーディション合格者の中で最も活躍が目覚ましい。彼女を争う青年エルナーニ(テノール)には昨年メット・デビューを果たしたばかりのイタリア出身ロベルト・デ・ビアジオと、メットではお馴染みのベテランのマルチェロ・ジョルダーニのダブルキャスト。壮年カルロ役(バリトン)には渋いセクシーさが売りのディミトリ・ホロストフスキー、老年シルヴァ(バス)に老練なフルッチョ・フルラネットと、豪華キャストが愛と復讐のドラマに挑む。この作品でヴェルディはテノールのヒーロー的主役に宿敵バリトン、そして両者に想われる女性ソプラノというパターンのオペラを確立、以降この組み合わせで多くのオペラ作品を描いている。
あらすじ
1519年スペインを舞台にした悲劇。元アラゴン大公であったが内戦で富と身分を失ったドン・ファン(ジョヴァンニ)は山賊の首領となりエルナーニと名乗っている。恋人のエルヴィーラは、彼女の伯父で貴族の老人ドン・デ・シルヴァと無理やり結婚させられそうになっている。更に国王ドン・カルロも彼女への想いを告白し、この3人がエルヴィーラをめぐって争う。新しい神聖ローマ皇帝に選ばれたカルロは、父の仇である自分を暗殺しようとしたエルナーニを恩赦によって許し、いったんはエルヴィーラとの結婚を認めるが、婚礼の夜、嫉妬に狂ったシルヴァがエルナーニの命を要求する。エルナーニは名誉と誓いを守って自害する。
ERNANI イタリア語 3時間30分
作曲:ヴェルディ(1843〜44年)
演出:ピエール・ルイージ・サマリターニ
指揮:マルコ・アルミリアート
配役:エルナーニ=ロベルト・デ・ビアジオ/ マルチェロ・ジョルダーニ
エルヴィーラ=アンジェラ・ミード
国王ドン・カルロ=ディミトリ・ホロストフスキー
デ・シルヴァ=フルッチョ・フルラネット
2月2日、6日、10日、14日、18日、25日(M)