ニューヨーク在住のクラシック・ピアニスト、木川貴幸のソロコンサートが11月12日夜8時から、市内のグリニッチハウス・ミュージックスクールで開かれる。
ニューヨークを拠点に演奏活動を始めて10年。これまで市内のワイル・リサイタルホール、アリスタリー・ホールほか、オハイオ州のセバランス・ホール、パリのサル・ガヴォー、バルセロナのカタルーニャ音楽堂などで演奏を行ってきた。ソロコンサートだけでなく、ピエール・ブレーズ、チョン・ミュンフン、ジョナサン・ノットなど著名な演奏家らとも共演を重ねている。
「クラシックでも、特に現代音楽が好きです」と話す。実際、レパートリーは幅広いが、現代音楽の演奏には定評がある。これまでニューヨークタイムズ紙が「詩的、熱情的、そして自然体」、ニューヨーカー誌が「大胆さで知られるピアニスト」と絶賛した。
12日のコンサートでも、レオナード・バーンスタイン(ブロードウエー音楽でも有名)、シューマン、ラモーなど、18世紀から現代までの作家の曲を演奏する。
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長野県生まれの41歳。信州大学教育学部音楽科を卒業すると、東京学芸大学大学院に進学。ピアノ専攻で修士課程修了後はすぐに、ジュリアード音楽院修士課程に留学、94年に卒業している。
ピアノを習い始めたのは3歳の時。本人は「特に音楽一家じゃないですよ」と言うが、母が音楽教師で、現在兄も音楽教師。「そう言われてみれば、音楽がいつもある生活だったかも…」と、気負いのない性格をのぞかせる。
「ジュリアードに留学したのは、とりあえず勉強しようと思ったからです。先生から勧められたこともあって、演奏家としてやっていこうと決めたのは、ジュリアードを卒業してから」。
ニューヨークを拠点に演奏活動をする中で、「アメリカ人から学ぶことも多い」と言う。日本人の演奏家は、練習して曲を仕上げ、きちんと完璧にやろうとする。ところが、「アメリカ人からは考える前にやる姿勢を学んでいます。日本人のストイックさも大事ですが、やらなければ始まらないというアメリカの考え方も一理ありますね」
普段は、グリニッチハウス・ミュージックスクールでピアノを教えるという、教師の顔も持っている。 (ささききん)
木川貴幸・ピアノコンサート
日時:11月12日(水)8:00pm〜
場所:Renee Weller Concert Hall
& Greenwich House Music School
46 Barrow St.
(bet. Bedford & Bleecker Sts.)
TEL: 212-242-4770
www.gharts.org
料金:10ドル(当日払い)
詳細はウエブサイト:
www.takakigawa.com
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