普段の生活の中の非日常。
自分で探したスペシャルな瞬間を、他の人と分かち合えるーーをテーマにした写真展をダウンタウンのギャラリー「Mangiami」で2月24日まで開催している。
「 パーソナル作品をどれだけの人が目にしてくれるのか,どれだけの人が関心をもってくれるか、不安だったが、レセプション当日はたくさんの方が駆けつけてくれた」と自信を持ったという。
「JIMA」こと西島篤司。77年静岡生まれ。98年にニューヨークのブルックリンカレッジに留学。大学在学中、知人のすすめで、写真のクラスをとる。
自分でとったフィルムを、自分で現像し、暗室でプリントする。「 この過程が気に入り、それ以来写真を始めました」という。
「 基本的に、写真を撮るという行為はそれを気に入ったからこそ撮るので、出来上がった写真は何も言わなくても、自己表現になる。
静かな自己表現、これが写真を撮っている理由です」と話す。 静かな自己表現。スペシャルな瞬間。 レンズを通して『自己表現』しながら、この街で生きていこうと決めた。
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中学生の卒業旅行で来たアメリカは、とてつもなく大きかった。その事が頭から離れず、高校の卒業を待ち留学を決意した。「暗室でプリントする。出来上がった写真は思った言葉で表現しなくても、自分を表現する手段となる」とこの世界にのめり込んで行った。
02年、ブルックリンカレッジを卒業。その後、フォトラボで働きながらフリーランスの仕事もこなして行く。そんな中、大きな話が舞い込んだ。06年、スポーツ用品のナイキから「ストリートバスケットボールプレイヤーのドキュメント撮影」という仕事を頼まれた。毎日、ハーレムなどでストリートバスケの写真を撮り続けた。作品はMTVで放送された。「このドキュメントで自分のやりたい事、出来る事が明確になり、自信にも繋がった」という。今でもクライアントの仕事部屋にはその中の一枚が飾られている。
そして、ナイキから本を出版。また翌年、フォード自動車の現状を伝えるドキュメタリーの撮影にも携わった。前回、仕事を共にしたナイキのスタッフの紹介で撮影候補にあがった。何十人の候補から選ばれたそうだ。
昨年はBRAVOチャンネルで放映されたアメリカ文化についての番組のスチールフォトの仕事もした。 写真をはじめた当初はフィルムで白黒撮影だったが、そこにこだわった。デジタル時代となった今では、白黒フィルムだけでなく、カラーも取り入れ柔軟な自分でいようと心がけているという。(吉)
Mangiami:9 Stanton St.(212) 477-7047
www.jimagraphy.com
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