ニューヨーク在住のジャズギタリスト、高免信喜(たかめん・のぶき、30歳)が6月8〜16日、ニューヨーク州アップステート、ロチェスターで開かれる国際ジャズフェスティバルに出演する。毎年開かれている大規模な音楽祭で、ジェームズ・ブラウンなどの大御所が参加してきたことで知られる。
このフェスティバルは、1週間かけて行われるもので、1日に平均10組、全部で約70組のバンドが演奏する。フェスティバル選考委員会には800以上のバンドから応募があり、高免のバンドは見事70組の中に選ばれた。昨年6月に、日本のジャズレーベル「ワッツ・ニュー・レコード」からリリースしたCDアルバム「ブルズ・ブルース」をオーディション作品として送ったそうだ。
「メインステージで演奏できるのは一握りで、僕たちはきっと一番小さいステージで演奏すると思います」と謙遜する。
ニュージャージー州にある音楽学校で、ギターを教えることで生計を立て、あとはニューヨーク市内のレストランやジャズクラブでライブ演奏に精を出している。
市内でのライブ演奏は、いろんなメンバーと一緒にやるが、6月のフェスティバルには、CDを作った自分のバンド「ノブキ・タカメン・グループ」で出演する。神田斉(ピアノ)、棚橋俊幸(ベース)、菊地真(ドラム)だ。このメンバーで、05年と今年春に日本で全国ツアーも行っている。
「僕の音楽は、純粋なジャズというより、ジャズあり、ロックあり、R&Bあり、ポップスあり、とジャンルをあまり問いません」。
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ギターを始めたのは14歳のとき。広島市に生まれ、中学のときに独学で弾き始め、高校時代にバンド活動を始めた。桜美林大学で英文学を専攻しながら、東京・横浜を中心に音楽活動を続けた。「いろんなジャンルを演奏する中で、即興演奏の魅力にとりつかれ、ジャズを演奏するようになりました」。
大学を卒業すると、「引越し屋などフリーターをやった後、バークリー音楽大学に留学を決めました。今思えば、もともと留学したかったから、大学で英文科を選んだような気がします」。
01年に同校プロフェッショナル・ミュージック科に留学。ギターを専攻し、演奏だけでなく作曲や編曲なども学び、04年には首席で卒業、同年ニュージャージー州に移り住み、活動の拠点もニューヨークに移した。
トレードマークは黒縁めがね。職場(ニュージャージーの音楽学校)のサポートで、すでにアーティストビザも取得したというしっかり者だ。
ギター演奏だけでなく、作曲家としての才能も見せており、CDの収録曲はすべて自作。「将来は広島に帰りたい気持ちもありますが、今は本場ニューヨークで頑張ります」。
9月には日本でのツアーも控えている。
(香)
ロチェスター国際ジャズフェスティバルの詳細は
www.rochesterjazz.com
高免信喜の定期演奏に関する情報は
www.nobukitakamen.com
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