タンゴ歌手の冴木杏奈が、6月21日(木)午後7時30分から、ニューヨークのザンケルホールで8回目のコンサートを開く。本場アルゼンチンのブエノスアイレスで昨年2回、今年3月には3回目のライブをこなした冴木。日本への帰国途中、ニューヨークに立ち寄った冴木に話を聞いた。
今年のアルゼンチン公演は、ブエノスアイレスの有名なタンゲリア「TORCUATO TASSO」でのCD発売記念ライブだった。全250席が満席となり、「一曲歌い終わって、大きな拍手が起こったときには、ほっとしました」と冴木。
「模倣の域を出ないこれまでの日本人タンゴ歌手とは、一線を画していた」と地元紙からも絶賛された。「多くの日本人タンゴ歌手が本場アルゼンチンを目指す中、冴木はダントツだ。スペイン語の発音もすばらしい」と評された。
「私の歌を、完全なオリジナルで、表現力、ライブ中の会話も含め、やっと日本から本物がやってきた、と地元紙が評価してくれたのは、とても嬉しかったです」と話す。
アルゼンチンの大手新聞社が以前、「日本語のタンゴがあってもいいのではないか」と書いたことがあったが、「私は、自分で作曲した日本語の曲も歌うんです。スペイン語だけでなく、日本語で話し、歌うと、地元のお客様もとても喜んでくれるんですよ」。
「アルゼンチンでは、外国人である日本人が、自分たちの音楽を愛し、表現し、新しい風を送り込むことを、温かみを持って受け入れてくれるようです」。
アルゼンチンでは、昔からのタンゴが衰退してきている部分と、その逆の部分の2面性があると冴木は感じる。ミュージシャンも若手が増え、ブエノスアイレスでタンゴを衰退の危機から救おうという動きが、以前よりも随分大きくなっているように見えるそうだ。
日本のタンゴファンも、昔に比べると随分若返っているという。冴木のコンサートには、親子三代で連れ立ってくる家族や、若者が目立つ。「レコード関係者も、私のコンサートの客層が若いのを見て、びっくりされます」。
この4月には、日本でデビュー20周念全国コンサートツアーを開いたばかり。6月のニューヨーク公演は、その締めくくりとなる。「内容の濃い、20年の集大成としてのコンサートにしたいと思っています」と話していた。
(香)
TVジャパンにも出演
「情熱トークUSA」で
この番組は様々な分野で活躍している日本人の姿をインタビュー形式で放映している。これまで、ヴァイオリニスト五嶋みどり、龍を育てた五嶋節さん、料理の鉄人こと森本正治さん、日本画家の千住博さんらが出演している。放映されるのは6月21日午後10時47分から。同日にコンサートが予定されており、終了後テレビでインタビューが見られる。
冴木杏奈コンサート
6月21日(木)午後7時30分
Zankel Hall at Carnegie Hall
(7番街56、57丁目の間)
チケット:60ドル〜48ドル
Box Office212-247-7800
問い合わせ:212-252-1232
www.annasaeki.com
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