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ニューヨーク在住の若手ジャズ・バイオリニスト須能沙里奈(すのう・さりな、26歳)が9月12日キタノホテルで演奏する。8時と10時の2セッション。ギター、ベース、ドラムのカルテットだ。スタンダードとオリジナル曲を演奏する。
03年にバークリー音楽大学を首席で卒業すると、すぐにアーティストビザを取得。アメリカで活動をと思っていた矢先に、ヒップホップ系のクラブ音楽でソニーとの契約が決まり、日本でのキャリアのために帰国したというラッキーガールだ。
もちろん実力なくしては運もついてこない。ソニーとの契約は、ボストンのバンド仲間から「日本で演奏したいから応募しろ」と勧められ、何気なく応募したところ、見事オーディションで合格したそうだ。すでにビクターレコードから2枚のソロCDも出し、過去2年間は、主にクラブミュージックを中に、日本全国で演奏活動をしてきた。
ニューヨークに拠点を移したのは今年の4月。「大学在学時から、卒業したらアメリカでやってみたいという夢があったので、今回はニューヨークを中心に音楽活動をするために来ました」。ソニーとの契約もあるので、日本に演奏のため帰国することもある。
ニューヨークでは「ジャズで勝負する」と決めている。
今年2月に下見に来たときに、ジャズギターで5本の指に入るマイク・スターンと知り合い、意気投合。スターンに加え、ドラムの大御所デイブ・ウエックルもゲスト参加しての、3枚目のCDも出来上がった。「これはアメリカでリリースします」とケロリと言ってのける。今回のキタノでの演奏は、CDのリリース・コンサートだ。
こうやって万事を思う方向に運んでいくところが、未来の大物という感じ。
東京出身。高校を卒業すると、迷うことなくバークリーに留学したのは純粋に「ジャズを勉強したかったから」。5歳のころからクラシックのバイオリンを習っていたが、成長するにつれて譜面を追うクラシックに飽き足らなさを感じた。「自分を表現できるフリースタイルの音楽として、ジャズに魅力を感じました」。
ジャズのバイオリンは珍しく、バークリーでも他の楽器に比べると教師も少なかった。しかし、それを逆手にとってアドバンテージにしていく、あっけらかんとしたパワーが須能にはある。
ニューヨークに来てわずか4か月だが、すでにダウンタウンのクラブでの定期演奏も行っている。ニューヨークのジャズシーンに、バイオリンを引っさげてやってきた、ちょっと気になるギャル・ミュージシャンである。(ささききん)
8月29日、99 Belowでのギグで
◆須能沙里奈
CDリリースコンサート
日時:9月12日
場所:Kitano Hotel
66 Park Ave.(at 38th St.)
夜8時と10時の2セッション(無料)
問合せ:212-885-7119
www.kitano.com
◆毎週のレギュラー演奏
99 Below
99 MacDugal St.
(bet. W.3rd & Bleecker Sts.)
毎週日曜ブランチ、水曜夜、無料
TEL: 212-387-8292-
www.99belownyc.com
◆須能沙里奈ホームページ
www.sarinasuno.com
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