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よみタイムVol.76 2007年11月2日号掲載
 
ジャズ歌手 西元ゆり

デビューCD自費販売「This is Yuri」


 ニューヨーク在住のジャズ歌手、西元ゆりがこの秋、デビューCD「THIS IS YURI」をアメリカでリリースした。自己レーベルの自費制作。マンハッタンのCDストア「ディスコ・ラマ」(西4丁目186番地)で販売されている。
 全9曲収録した中、8曲はいわゆるジャズやボサノバなどのスタンダードといわれる曲を、自分なりにアレンジして歌ったもの。最後の一曲「カミサマガ・ワカルデショ」は、日本語のゴスペル曲をジャズ風にアレンジしたものだ。
 ピアノにフランク・ロンジーノ、ドラムにロバート・ケリー、ベースにダグ・ラージェントと、地元のミュージシャンがしっかりバックアップ。
 鹿児島出身で、日本女子体育短期大学を卒業後は文化服装学院でアパレル関連のビジネスを学んだ。「歌い出したのはそのころから」。日本では主にR&Bを中心に、レストランやクラブで歌うようになった。
 といっても、声楽を勉強したわけでもなければ、特に楽器ができるわけでもない。「英語を勉強したかったこともあって、一時香港に渡ってアパレル会社に勤務したこともあります。日本を出てみたかっただけで、音楽とは全然関係ないことばかりやってました」
 そんな根なし草のような西元が、一念発起して「ジャズを勉強したい」とニューヨークに来たのが3年前。
 特にあてがあったわけではないし、音楽留学するだけの資金もバックグラウンドもないので、最初は図書館に通い詰めて独学した。「アメリカの公立図書館って、いろんなレコードやCD、楽譜まで全部無料で貸し出してくれるので、毎日リンカーンセンターにある公立図書館に通いました」。
 せっかくニューヨークに来たのだからと、着いた途端に、バードランドでのジャムセッションに飛び入りしたという度胸の持ち主でもある。
 「ドナ・サマーの曲を歌ったら、みんな立ち上がって拍手してくれて、2曲歌ったんです。恥ずかしくて、半泣き状態で歌ったのに、お客さんから大きな反響があって嬉しかったです」。今でもこのときのことは忘れられないという。
 その後、語学学校に通いベビーシッターをしながら、アメリカ人の音楽家の下で勉強を始める。今年の夏からCD作りにとりかかり、やっとの思いで仕上げた。
 「今後は多くのミュージシャンと一緒にギグを重ねて行きたい」と話す。将来の夢は、「自分のバンドを引き連れて、日本でコンサートをすること」と話している。
CDは以下で購入可能
Disco Rama
186 W. 4th St.(bet. 6th & 7th Ave.)
TEL: 212-206-8417
www.discorama.com
またはウエブサイト
www.cdbaby.com