日本で手がけたスーパー歌舞伎の舞台衣装。「NYでもスーパー歌舞伎をやりたい」
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文化庁の舞台美術アーティストプログラムから奨学金を受け、昨年9月から1年間の予定でニューヨークにやってきた。現在ニューヨークの大手衣装会社「パーソンズ・メイヤーズ」でインターンシップ中だ。
昨年のクリスマスには、ラジオシティー恒例の「クリスマス・スペクタキュラー」の衣装を担当。現在はブロードウエーの「ライオンキング」「リトルマーメイド」の衣装制作を担当する傍ら、個人でオフブロードウエー「テイク・ミー・アロング」の衣装を手がけた。このショーは2月20日オープンし、4月13日まで公開されている=インフォ下記=。
「ニューヨークのメジャーな舞台で、初めて私の名前が衣装担当としてクレジットされた作品なんですよ」と話す。
文化庁の奨学金プログラムは、舞台芸術に関わる若者が、1年間海外経験を積むためのもので、06年秋に応募、昨年2月に奨学金の支給が決まった。
応募時点でニューヨークでの受け入れ先が決まっていなければならず、昨年7月にほんの数日間ニューヨークを訪れ、ありとあらゆる衣装制作会社を回り、現在の会社でのインターンシップを自力で決めてきた。実力が認められ、今年8月以降の正採用も決まっている。
この文化庁奨学金とほぼ時を同じくして、昨年、化粧品会社大手のメイベリンNY社が「キャッチ・ユア・ドリーム・キャンペーン」を展開。日本でも夢を追う若者が公募され、選ばれた2人の女性が9月から12月までニューヨークに来た。その一人が徳重だ。
すでに文化庁のプログラムで、9月からのニューヨーク行きが決まっていたところに、さらに「9月からニューヨークへ行けることが条件」で、メイベリンからもサポートを受けることができたのだ。「もう運命だと思いました」。
メイベリンとの契約期間はすでに終了しているものの、ニューヨークに残って引き続き夢を追っている徳重に、メイベリンからさらなる依頼が入った。
今年春、アメリカの人気テレビ番組「アメリカンアイドル」が日本で放映されるに当たり、メイベリンが冠スポンサーとなったことから、番組中のドキュメンタリーで、徳重のニューヨークでの活躍ぶりが紹介されることになったのだ。
3月中は、アメリカのFOXテレビから取材で追っかけまわされている。日本での放映は、番組中に3分間6回枠で、全18分に編集され、徳重の活躍が放映される。
「オペラが大好き。いつかメトロポリタンオペラの衣装を作りたい」と夢は広がる。スーパー歌舞伎をニューヨークに持ってくるという夢もある。
(ささききん)
Take Me Along
2月20日〜4月13日
The Irish Repertory Theatre
132 W. 22nd St. (bet. 6th & 7th Aves.)
TEL: 212-727-2737(box office)
チケット:$55、$60
www.irishrep.org
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