2017年4月14日号 Vol.299

[第76回]
キャブの強い味方、MTBOT


 先月キャブのライセンスの更新について書きましたが、その中でメトロポリタン・タクシー・ボード・オブ・トレード(MTBOT)という組織について触れました。今回はその組織について一筆。
 これは、37の小さなフリート(キャブの管理会社)が集まって構成するドライバー支援組織のことです。ずいぶん昔からある組織ですが、近年新しいトップになって、俄然頑張ってくれています。
 キャブドライバーにはユニオン(労働組合)みたいなものはないのですが、この組織がそれに成り代わって色々やってくれるわけです。新しいヘッド(60代くらいの金髪の女性です)が、「我々はイエローキャブドライバーのために尽力する組織です」と、言ってくれています。しかも、この女性ヘッド、警察やタクシー&リムジン協会(TLC)他、色々な部署のトップと対等に話せるくらいのパワーを持っている人。実際、イエローキャブドライバーの便宜を図るために、色々なことを交渉してくれています。
 例えば、毎年課せられるドラッグテスト(尿検査)も、以前は更新日(ドライバーによって違いますが、僕は3月3日)から1ヵ月以内に受けなければいけませんでしたが、今は3ヵ月以内になりました。医学も発達し、今では少しでも麻薬を使えば1ヵ月以上は体内に残るというMTBOTの主張が通りました。小さいことかもしれませんが、ドライバーにとってはこの余分な2ヵ月は大きいのです。
 あと、よく我々は警察から交通違反のチケットを切られたり、TLCから呼び出しを食らったりするわけですが、中にはとても理不尽なケースもあります。そうした時に、MTBOTには無料で我々ドライバーの弁護をしてくれる弁護士がいます。
 そして今交渉中なのは、イエローキャブドライバーが運転中にGPSを使ってはいけないという規則を変えてほしいというもの。カーサービスやウーバーなどは当然のようにGPSを使いますが、僕たちはそれが許可されていません。未だに地図を車に常備しています。いくらキャブドライバーでも、知らない場所に行くことはあります。このご時世、GPSを使えないのではねえ。それに、GPSはダメと言いながら、TLCがフューチャーキャブと呼ぶ日産車にはGPSが搭載されているのです。ダメと言いながら、最初から搭載されているのもおかしな話でしょう?
 というわけでMTBOTは、警察やTLCにいつも虐げられているキャブドライバーの、強い味方なんです。(白石良一)



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