2017年6月9日号 Vol.303

[第78回]
情報集める米国土安全保障省!


以前の僕の相棒、というか、僕がナイトシフトなので、同じキャブを昼間運転していたナイジェリア人のドライバーがいました。この彼が、ある時突然逮捕されてしまいました。同じナイジェリア人の奥さんが、DVを理由に警察を呼んだからです。本当にDVがあったのかどうかは未だにわかりませんが。
彼は裁判でとりあえず保釈金を払って釈放されたものの、同じ理由でまた逮捕されてしまいました。そうこうするうちに二人は別居したのですが、どうやらその2度の逮捕歴が、米国土安全保障省(略称:DHS)からニューヨーク市タクシー&リムジン協会(TLC)に情報として渡ったようで、彼はキャブ運転手のライセンスを剥奪されてしまいました。
いい相棒だったのに、全てが理不尽に思えてなりませんでした。こういう、周りから見て「え、何で?」というような、DHS絡みの出来事が結構起きているんです。
ポーランド人のドライバー仲間がいました。彼もちょっとした交通違反でホーボーケンで警察に止められた時、その場でDHSのデータに照合され、何かにひっかかったらしく、いきなり留置所に入れられたそうです。
どうやら、彼は昔付き合っていたラテン系の女性との間に子供ができていて、それを認知しなかったところ、女性が訴訟を起こしていたらしいのです。DNA鑑定の結果彼が父親だと証明され、養育費をトータルで9万ドルほど払うことになっていて、それが未払いだったというのが留置所に入れられた理由だったようですが、そんな情報が、何とDHSのデータに入っていたとは!
2004年ごろになりますが、ハンガリー人のドライバー仲間のケースもあります。ニューヨーク州では2004年から、全ドライバーを対象に、3年間で違反のポイントが6以上になると、アセスメントという罰金が課せられることになっています。
このハンガリー人の同僚は、しばらくその新しい罰金を知らなかったのと、ちょうどその頃何度も引越しをしていたために、自分が6ポイント以上に達してTLCから通知が来ていたことも知らずにいたのでした。
この彼も、ちょっとした違反で警察に止められた時、DHSのデータから「罰金未払い」とでも出て来たのでしょう、いきなり留置所行きだったそうです。
ちなみに、ナイジェリア人とハンガリー人は永住権、ポーランド人は帰化アメリカ人でした。合法的に滞在しているし、国籍云々というものでもないようです。とにかく、DHSって色々細かいことまで掴んでいるんですね。何となく恐ろしい気がします。(白石良一)



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