2018年1月12日号 Vol.317

ネット文化と希薄な人間関係
岩井俊二監督・最新作
「リップヴァンウィンクルの花嫁」



A Bride for Rip Van Winkle, 2016. Director: Shunji Iwai


映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」(岩井俊二監督、2016年)が、1月13日(土)と16日(火)、イーストビレッジの映画館で上映される。日本語・英語字幕。この映画は、岩井俊二の同名小説を基に、岩井自身が脚本と監督を手掛けた作品だ。
世界的に評価される岩井監督が、現代のネット文化を取り入れた最新作で、ユーザーの人間関係の希薄さなども描かれている。

派遣教員をするヒロイン皆川七海(黒木華)は、ソーシャルメディアで知り合った鶴岡鉄也(地曵豪)と、いとも簡単に結婚を決意。結婚式に呼ぶ友人もいない七海に、「見栄えがしないからもっと招待しろ」と鉄也。仕方なくSNS上の友人で、「なんでも屋」の安室行舛(綾野剛)に代理出席を依頼する。 無事に結婚式が終わったとたん、鉄也の浮気が発覚。挙句に鉄也の母から浮気の罪をかぶせられた七海は、家から追い出されて離婚。住む場所と夫を同時に失い、窮地に立たされた七海に「なんでも屋」の安室が奇妙なバイトを提案する。最初は結婚式の代理出席。そこで里中真白という女性と出会う。 次のバイトは、豪邸での住み込み留守番メイド。 報酬100万円。 屋敷に向かうと、そこにはすでに真白が住み込んでいた。二人の奇妙な生活が始まった。

タイトルの「リップヴァンウィンクル」とは、アメリカの小説家ワシントン・アーヴィングによる短編小説の題名であり、主人公の名前でもある。その物語は、「アメリカ版・浦島太郎」とも言われる。森に迷い込んだ主人公が、見知らぬ人と酒を飲み交わすうちにぐっすりと眠ってしまう。目覚めて帰宅すると、20年もの時が経っていたーーというものだ。
小説・映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」のタイトルの由来は、映画を見てのお楽しみ。

A BRIDE FOR RIP VAN WINKLE
■1月13日(土)11:00am
■1月16日(火)7:00pm
■会場:Village East Cinema
 189 2nd Ave.
■TEL: 212-529-6998
■$15
www.citycinemas.com/villageeast



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