2018年1月12日号 Vol.317

JS「NOH-NOW」シリーズ最終回
劇団SPAC「夢幻能オセロ」
シェークスピアの悲劇を再構築


© Takuma Uchida


ジャパン・ソサエティー(JS)が1月11日(木)から13日(土)、劇団SPAC(静岡県舞台芸術センター)の舞台作品「夢幻能オセロ」(原作ウィリアム・シェークスピア、演出・宮城聡)を上演する。全4回公演。JS創立110周年記念特別企画「NOH-NOW」シリーズの第4弾(最終弾)だ。日本語上演、英語字幕。
2011年JSでの「王女メデイア」公演の大成功を受け、演出家・宮城聰率いる劇団SPACが、再びJSの舞台に登場する。
「夢幻能オセロ」は、シェークスピアの四大悲劇「オセロ」を、比較文学者・平川祐弘が能の謡曲台本として書き直したもの。2005年、当時宮城が率いていた劇団ク・ナウカで初演されて以来、13年ぶりの公演となる。
今回の作品では、シェークスピアの悲劇を、複式夢幻能形式で再構築。あらぬ嫌疑で、夫のオセロに殺されたデステモーナを能のシテ役とし、成仏できずに亡霊となって現出したデステモーナの視点から悲劇が語られる。
シェークスピアの戯曲では、訳も分からないまま殺されるヒロインが、「夢幻能」によって初めて自分の心を明かす機会を与えられる。残酷な嫉妬劇がデステモーナの解放劇へと一変する。宮城の舞台独特の美しい衣装、音楽家・棚川寛子作曲の演劇一体型の独特の生演奏も見どころだ。

SPAC劇場技術
ワークショップ

公演の関連イベントとして、1月13日(土)午後1時半〜3時半、演劇やダンス経験者のみを対象とした、SPAC団員指導のワークショップが開催される。演出家・宮城聰や鈴木忠志の身体トレーニング手法を取り入れた、SPAC独特の発声法や体の使い方などを学ぶ。参加者は靴下、動きやすいトレーニングウェア着用のこと。詳細別記。

★夢幻能オセロ(全4回)
■1月11日(木)7:30pm
 ※終演後レセプション
■1月12日(金)7:30pm
 ※終演後アーティストとのQ&A
■1月13日(土)7:30pm、14日(日)4:00pm
■チケット:一般$35、JS会員$30

★ワークショップ
■1月13日(土)1:30〜3:30pm
■参加費:一般$45、JS会員$35
■会場:Japan Society
 333 E. 47th St.
■TEL: 212-715-1258
www.japansociety.org



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