ただ、この戦争が別の危機をもたらすことになる。イスラム原理主義のテロ組織アルカイダを率いていたオサマ・ビンラディンが、イスラム教最大の聖地メッカのあるサウジアラビアに異教徒であるアメリカ軍が基地を設営したことに怒り、以後激しい反米主義者となって数々のテロ行為を重ね、9・11の同時テロ攻撃に至ったことである。ビンラディンは、ソ連が軍事侵攻したアフガニスタンでアラブ人のイスラム義勇兵ムジャヒディンの一指導者として「聖戦」の名のゲリラ戦に従事、当時はアメリカから装備の供与を受けるなど良好な関係だったが、サウジアラビアに凱旋後の湾岸戦争で立場を一転させたのだった。(つづく) HOME