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[ 9 ] 10/1/2021 YOMITIME・WWW.YOMITIME.COM・info@yomitime.com・
  武島アイカ Aika Takeshima ダンスアーティスト / ライター /LGBTQIA+ 活動家
・出身:大阪府羽曳野市
                ★ダンス、執筆、活動家、それぞれを始めたきっかけ
 ダンスが最初で、執筆と活動家はほぼ同時期です。ダ ンスは中学生の時に流行っていたMAXやDA PUMPに憧 れて真似をしていたのですが、高校にはダンス部がなかっ たため柔道部に。大学でダンスサークルに入り、継続的 にスタートしました。  執筆は、コロナによるロックダウンが始まった直後か ら。実は文章作成が大嫌いで、小学生の映画感想文で「感 激し過ぎて何も書けません」と提出したことも(笑)。そ んな自分に「本を出版しないか」というオファーをいた だき、「自分の想いを文字にして伝える」という方法を知 りました。自分が「伝えたいコト」とは、大抵規模が大
きく複雑なことが多いため、いつでも読み返せる「文章」という表現方法に魅了。情 報を発信する場合、同じ量であれば、文章を読むよりも動画の方が時間がかかると個 人的に感じています(単にトークが苦手という理由もありますケド・笑)。執筆は、 自分の考えを文字にすることで頭の中が整理される上、読んで下さる方の情報にもな るという、二重の喜びがあります。  LGBTQIA+として活動するきっかけは、コロナ禍によって熟考・発信する時間が 出来たことが大きいでしょう。カミングアウトしたいのにできない、受け入れたいけ どなかなかできない...という人々を見ている内に、皆が受け入れあい、生きやすい社 会にするために、自分にできることは何だろう?と、活動家として動き出しました。 ★プロフィール「マイノリティ中のマイノリティ(LGBTQのL、ハーフコリアン、 部落出身、父元ヤクザ組長)」について  私は自身の境遇を恥じていません。現在の活動も、決して恥ずべきことではなく、 より多くの人に「本当のその人自身」を見て欲しいという想いから、すべてをオープ ンにしています。韓国人の父は、「プロボクサーか俳優になる」という夢がありまし たが、知人に騙され断念。当時は今より反韓感情が強く、選べる職業も少なかった。 9人兄弟という大家族で、一人のピアニストを除いて全員ヤクザの一家。末っ子だっ た父は、職探しの難しさから、兄たち同様にヤクザの道を進んだのではないでしょう か。でも私が知る父は、誰よりも店員さんなどにも親切で、阪神淡路大震災では、自 衛隊よりも先に食料品などをかき集め、現地に直行。被災者のためにボランティア活 動を行ってました。また、母の家は貧しく、「美容師になりたい」という夢を断念、 子どもの頃から働かされたそうです。  ですが、私は知っています、父の運動能力と行動力、そして母のファッションセン スを。世界には貧困やマイノリティであるがゆえに、夢を成しえる方法を知らず、機 会さえ与えてもらえず、「自分はそんなにすごくない」と過小評価してしまう人々が 大勢います。でも私は誰もが、自分が考えているより多くの「自由と可能性」を持っ ていること、ただそれに気づいていないこと、その方法を教わる機会がなかっただけ だということを知っています。少なくとも、私はあきらめたくありません。
 私がピンチの時に、母がかけてくれた言葉「やり通せ。自分に負けるな」。自らの現在や過 去の境遇がいかなるものであろうとも、それらに引っ張られるな、それらに自分の人生を決め させるな、ということです。私は、自分のこともあきらめたくない、誰にも何かをあきらめて 欲しくない。生い立ちや社会が貼るラベルに人生を左右されないで!本当はみんなすごいんだ から!と伝えたい。自己肯定感が上がれば、他人のことも受け入れやすくなり、人が自分と違っ ても受け入れあえる社会になる、と信じています。ありのままの自分と、ありのままの他者を 受け入れる。一番難しいことですが一番大事なポイントだと考えています。
★今後の予定
音楽を通して社会を前進させる試み
  音楽祭「アジア系アメリカ人の声」
   大場エリカ
伊藤琢磨
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Asian American Voices
■10月12日(火)8:00pm 寄付$15ドル〜 ■10月13日(水)8:00pm 寄付$15ドル〜 ■10月14日(木)8:00pm オンライン・パネルディスカッション  無料・要予約
 https://www.barduschinamusic.org ■10月16日(土)3:00pm 寄付$25〜 ■10月17日(日)3:00pm 無料  アクセスリンクはオフィシャルサイトで当日アナウンス ■会場:The Richard B. Fisher Center for the Performing Arts  Bard College.
 30 Campus Rd, Annandale-On-Hudson, NY  https://fishercenter.bard.edu ■www.barduschinamusic.org/asian-american-voices
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  2022年1月21日と22日に新作「L Train」を発表する他、いくつかのパフォーマンスを予 定(日程はウェブサイトで随時発表)。社会的影響力のある contact アーティストにインタビューをする新シリーズ「社会を変え ●e zukazukaaika@gmail.com るアーティストたち」や、ウェビナー「自分ってなんだろう?」 w
          ● https://aikatakeshima.com では、ゲストと共に皆で一緒に世界の可能性を探っています。 ● instagram.com/aikatakeshima
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       バード大学音楽院 ( )の米
をテーマにした。  音楽祭の芸術監 督ジン・ドン・カイは、
伊藤琢磨(いとう・ たくま)と、サンフ ランシスコを拠点に 活躍する大場(おお ば)エリカを含む 人のアジア系アメリ カ人作曲家の作品 が紹介される。  伊藤の「ピク チャー・ブライド
Music」で紹介され る。  また、コンサート に加えて、オンライ ン・パネルディスカ ッションも開催。作 者の創造的なプロセ
ス、アジア系アメリ カ人アーティストと しての経験について、 社会におけるアーテ ィストの役割につい ての見解を語る。
中音楽研究所は
月 日(火)から 「アジア系アメリカ
日(木)、 日(土)、 日(日)の5日間、
人の声はアメリカ 人の声であり、ア ジア系アメリカ人 の音楽はアメリカ 人の音楽です。私 たちは常にアメリ カ社会の文化的多 様性を大切にすべき です」と伝えている。  音楽祭には、ハワ イ大学マノア校で音 楽の准教授を務める
恒例の音楽祭「アジ ア系アメリカ人の声
(Asian American
Voices)」を開催す る。
(Picture Brides)」 は日本移民の初期
 現在も続く世界 的なパンデミックと 最近の反アジア差別 や暴力の高まりを 懸念し、音楽を通 して社会を前進させ ることを目的に掲げ る。さらに今回は、 現代アメリカの音楽 と社会における重 要性を探求すること
を反映させた曲。  大場の「あこや」 は自身最新作だ。 共に 日(水)、バ ード大学音楽院で 行われるマルチメデ ィア室内楽コンサー
やり通せ、自分に負けるな
次号は 月 日(金)号 イベント情報提供は
ト「Undercurrents in Contemporary  A m e r i c a n 
info@yomitime.com まで























































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