Page 9 - Yomitime411
P. 9

[ 9 ] 11/26/2021 YOMITIME・WWW.YOMITIME.COM・info@yomitime.com・
  無題(light flow), 2018. / 530 × 455mm
Flowers, 2021/ 144 × 205mm
小中寛顕「残光 / afterglow」展
■ 1 2 月 6 日( 月 ) 〜 1 9 日( 日 )  レセプション:7 日(火)6:30-8pm ■会場:Stella & Fly:1705 First Ave.  www.stellaandfly.com ★アーティスト情報 instagram.com/hiroakikonaka
「うつろう変化」を表現
手紙のような身近な存在に
画家 小中 寛顕
&
19 12
     松山スタジオに所 した後、今年6月か で遊ぶことが好きで 然の力。小中の作品 される箔や染料イン さんいますが、まず 雰囲気が、一人の人 属するアーティスト、 らニューヨークで活動 した。よく遊んでい テーマである「人工と クは、光や空間の影 は母。とにかく私の 間として制作に向き 小中寛顕(こなか・ を開始した。 たのは『ドミノ』ですが、 自然」は、対極のよ 響を受けながら、そ わがままを優しく受 合うための原動力に
ひろあき)の作品展  小中の作風は、「人 一人で静かに黙々と 「残光/afterglow」工と自然」の関係性 時間をかけて作り上
うで実のところその の時々で変化。作品 け入れてくれた事に なっています」。作品 関係性は深い。 に偶然性と現象を取 感謝しています。誰 をどう作り上げてい  「私は、記録や光 り込み再構築するこ よりも強く偉大、母 くかを考え、体験し を題材に、『うつろう とで、イメージが持 のような優しい人間 ている時間が楽しい 変化』を表現してい つ事実性を抽象化さ でありたい」と話す。 という。「まずはアー
が 月6日(月)か ら 日(日)まで、ア ッパーイーストのコー ヒー&ワインバー「ス テラ フライ」で開 催。新・旧あわせて 数点が展示される。 ◇  大阪府出身の小 中。地元の小・中学 を卒業し、美術を学 ぶため京都芸術高等 学校へ。その後、京 都造形芸術大学の
をテーマに、大学で げる一方で、完成後 学んだ日本画と、写 に倒すのは一瞬、とい
日本画コースを卒業。 京都アートスクール や、村上隆率いる「カ イカイキキ」に在籍
真的な特徴を取り入
れたもの。
 「子どもの頃から森
や海など自然の中で
遊ぶことと、ボード るドミノ、そこに力 ゲームやテレビゲーム を加えれば連鎖的に など、人工的なもの 倒れていくという自
う時間の差にとても 興味を持ったことを 覚えています」。人の 手によって精巧に並べ
ます。日本画で使用
せる。結果として、  また、小中には ティストとして、お それらが『うつろいゆ 多くの出会いがあっ 世話になった人々に くイメージ』を私たち た。「凄まじい根性 恩返しが出来るよう、 に見せてくれると考 とユーモアを持った人 作品を発表していき えています」。小中に 柄が好き」だという たい。将来的には『地 コントロールされて 建築家の安藤忠雄氏。 中美術館』や『豊島 描かれた作品は、光、「幅広い知識とその 美術館』のような『自 大気、時間によって 探究心を尊敬する」 然と人間を考える場 その様相を変える。という批評家の浅田 所』を作りたいと思っ また鑑賞者の心理状 彰氏。「アーティスト ています」 態や置かれた状況に として悩んでいる際、  すべての人工物は より、さらに変化し 身近で働き学んだ」 自然に由来する。小 続ける。小中はそれ という村上隆氏。中 中はそれらを「人為 を「何気ない日常と、でも国立国際美術館 的」に利用すること 自然の光との間でや で開催された草間彌 で、うつろう心を持 りとりされる『手紙』 生展で本人に出会っ った「人間」という存 のような存在」だと たことが、現在ニュー 在を追求する。 表現。「私のアートは、ヨークで活動するきっ  「少し前まで日常
陽の光や星の様に、 身近な存在でありた い」と打ち明ける。
かけになったそうだ。 だと思っていたことが、  「ニューヨークの『活 いつの間にか、私た 気』には目を見張る ちには見えない部分 ものがあります。皆、 で変化し続けていま 生き残るため必死に す。それらを受け入 活動しているという れ、些細な出来事の
◇  影響を受けた人物 を尋ねると、「たく
痕跡を作品の中に見 つけてください」







































































   7   8   9   10   11