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01/13/2023
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    高野 菜々 NANA KONO
ミュージカル俳優・声優・プロデューサー ・出身:広島県
                ★ミュージカル「キャッツ」を観て俳優を志す
美しい歌やダイナミックなダンスに心を打ち抜かれ、大感動 しました。年齢が近かった子猫役の俳優さんの澄んだ歌声に 憧れ、その日から来る日も来る日も毎日自宅で歌って踊って いました。兄に「ノイローゼになるからやめて...」と叱られ るほどでした(笑) ★ミュージカルカンパニー「音楽座ミュージカル」に入団 高校生の時に宝塚音楽学校を受験しましたが不合格。その後、 高校を中退し通信制高校に編入、バイトとレッスン漬けの日々 を送っていました。最後のチャンスと臨んだ2度目の受験は 最終試験まで残ったものの不合格。人生が終わったと毎日泣 いていました。そんな時、母校の広島音楽高校の先生から
               「ミュージカルスターの新妻聖子さんが広島でコンサートをす
    るから、バックコーラスとダンサーとして出演しない?」と電話をいただきました。そ
のリハーサルで新妻さんから「あなた輝いてた!」と話しかけていただいたことから、 「新妻聖子さんのようになりたい」と思うように。新妻さんが「音楽座ミュージカル『21 C:マドモアゼル モーツァルト』で主演モーツァルト役で菊田一夫演劇賞を受賞」した ことを知り「、音楽座ミュージカル」に入団。初対面から7ヵ月後には新妻さんと同じモー
    ツァルト役で初舞台デビューをさせていただきました。
    ★パフォーマンスの醍醐味
生きていくために「水」が必要なのと同じように、私は生きるためには「物語」が必要 だと感じています。物語はフィクションですがそこに真実があり、「もう会えないあの人」 にも「叶えることができなかった夢」にも、物語を通して追体験することができると思っ ています。物語が終わると「浄化された」感覚になるのは、演じる側だけではないと思 います。観ているお客様にも、同じ体験をしていただけることが、演じることの醍醐味 であり、私がミュージカルを続けている理由です。 ★文化庁新進芸術家海外研修員としてNYへ 2018年、短期留学でNYに来た時、クイーンズのフェスティバルで歌う機会がありま した。私の歌で観客の一人が踊り始めた光景を見て「これだ!」と。それまでは「表現」 とは評価されるものだと思っていましたが、一番大切なものを忘れていました。「音を 楽しむ」と書いて音楽、心から湧き上がる楽しさを歌に乗せることで観客と一体になれ るのです。その「心のワクワク」の続きがNYにはある。実は当時、ミュージカルの舞 台に10年間立っていたもののスランプの時期で、逃げ出すようにNYを訪れたのも事実 でした。NY在住のアーティストに「なぜニューヨークに来たの?」と聞かれ「自分探 し」と答えると、「NYは勝負する人たちが集まる場所、生半可な覚悟なら帰って」と言 われ、悔しい思いで一杯になり、「次はニューヨークに『勝負』しに帰ってくる」と決意。 その後、文化庁新進芸術家海外研修員に応募し選出、2022年3月からNYで活動して います。
    ★目標は和製ミュージカルの米国公演
「音楽座ミュージカル」創設者は戦前生まれの女性で、作品にも平和への願いが込めら れています。彼女が生前、私に「あなたは広島に生まれた意味がある」と言っていました。それ まで意味など考えたこともなく、もしかしたら意味などないのかもしれません。ですが、物語を 演じ続ける中で、我欲を満たすために舞台に立っていると、虚無を感じてしまうようになりまし た。「誰に何を届けたいか」が一番の原動力になることを体感し、自分自身の故郷広島の平和の 歴史を背負って物語を紡いでいきたいと考えるようになりました。いつか「音楽座ミュージカル」 の作品を海外で公演したい、先陣を切って「道」を創っていきたいと思います。将来は日本と NYを活動の拠点として、私の生きるテーマ「広島に生まれた意味」を、人生や物語と役柄を通 して届けたいです。
★2月17日(金) ソロライブ開催
NYに来てもうすぐ1年。この1年を「起承転結」の4ステージとして捉えた時に、学ぶだけのイ ンプットの時期は終了。今後はインプットしたものをアウトプットする「結」の最終章として、 集大成であり始まりにもなるソロライブを開催し、「現在地」を形にしたい。広島で生まれ育ち、 東京で見つけたミッション、NYでの日々が教えてくれた今感じている思いを、歌に込めたいと 思っています。
Illustration by Ben Warren © Japan Society.
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芥川龍之介の文章がベース 死、愛、自殺をテーマに
新作オペラ「note to a friend」
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    高野菜々ライブ・イン・ニューヨーク
■2月17日(金)7:00pm
■会場:Don't Tell Mama:343 West 46th Street ■$15(2ドリンクミニマム、現金のみ)*全席自由 ■https://donttellmamanyc.com/shows/7231-nana-kono-brilliant-2-17-23
contact
●w www.ongakuza-musical.com ● instagram.com/kounonana
facebook.com/kounonana twitter.com/kounonana
■1月12日(木)7:30pm
※終演後「MetLife Meet-the-Artists レセプション」有 ■1月14日(土)7:30pm ※終演後「アーティストQ&A」有
■1月15日(日) 午後3時
■チケット料金:一般$60、JS会員$48 ■会場:ジャパン・ソサエティー館内劇場
 333 East 47th Street ■ボックスオフィス:Tel:212-715-1258  月~金:9:00am ~ 5:00pm ■詳細・チケット予約はPROTOTYPEウェブサイトで  prototypefestival.org/shows/note-to-a-friend
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新作オペラ「note to a friend」<世界初演>
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   ジャパン・ソサエテ 之介の2つの短編 ィー( )舞台公 「点鬼簿」と「藪の 演部は1月 日(木) 中」に加え、遺書と から 日(日)まで、 される手記「或る友 新作オペラ「note to 人へ送る手記」の3つ afriend」を上演す の文章をベースにし
感じる思いを歌に込めて
る。日本における西 たもの。死、愛、自 洋音楽の殿堂、東 殺における人間の執 京文化会館との共 着をテーマに、ピュー 同委嘱・共同制作。リッツァー賞受賞作 実験的新作オペラを 曲家、デヴィッド・ 紹介するフェスティバ ラング自らがリブレ ル「PROTOTYPE」 ットを手がけた。ス
ストのセオ・ブレッ セプション」が、 クマン。演奏は、新 日(土)の終演後には 進気鋭の日本人ミュ「ポスト・トーク/
で2023年プロ グラムの一環として で世界初演を 迎える。その後、東 京文化会館で2月
テージには歌手が一 人だけというユニー クな構成で、「悲劇」 を扱う因習的なオペ ラとは一線を画した 切り口で書き上げら れている。  演出は、ヨーロッ パを拠点に世界で活 躍する、日本人演 出家・俳優の笈田ヨ シ。出演は、ドイツ 生まれでニューヨーク を拠点に活動する人 気ジャズ・ボーカリ
演後には「MetLife Meet-the-Artists レ
4日(土)・5日(日) に日本初演となる。
◇  本作は、芥川龍
ージシャンが弦楽四 重奏団を構成する。   日(木)の終
アーティスト 」 が実施される。共 にチケット所持者は 参加無料。











































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