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■総裁選の投票結果
決戦投票 都道府県 議 員 26 189
11
23
自民党の総裁選宣伝ポスター
14
49 63 47 63
84
27
1回目 党員 議員
108 46
109 72
61 75
27 38
19 41
13 34
17 23
8 22
6 16
候補者名
67
石破茂 高市 早苗 小泉 進次郎 林 芳正 小林 鷹之 茂木 敏充 上川 陽子 河野 太郎 加藤 勝信
72 40
21
173
68
71
68
43
61
DG AS P
NI
24
38
vs
vs
08 12
元総理の安倍(晋三)派や 元幹事長の二階(俊博)派 などが派閥の資金パーティ で、パーティ券収入の一部 を政治資金収支報告書に 記載していなかったことが 発覚する。当選回数や閣 僚経験に応じて所属議員 にパーティ券の販売ノルマ
月から派閥の担当者ら の事情聴取を始めていた が、議員ではない「会計責 任者」の違法行為を指摘 して起訴に持ち込んだだ けだった。 派閥の弊害を指弾する 声の高まりを受けて、岸 田文雄総裁は自らの派閥
は4位に転落。増 って最後の戦いに挑む」と 税プランや社会保険料アッ 決意を新たにしている。 プという国民負担増のレー 幹事長、政調会長など党 ルを着々と敷く一方で、 の要職に加え、防衛、農 年1月にスタートさせた新 林水産、地方創生など閣
Untitled, ( 番外編 ) 国際ジャーナリスト 内田 忠男
る。自民党内では、疑惑 議員への処分が発表され たが、その中身も党員資 格を失ったのが2人だけ という極めつきの「生ぬる さ」で、反省のなさに庶民 の怒りは収まるどころか一 層高まった。 「これだけの不祥事を起 こしてトップが責任を取ら
ことなく自らの信念で総 裁を選ぶ――初めての体 験をすることになった。 が、なかなかそうは行 かない。
派――の9人。 年と 年の5人を超え、過去最 多の立候補者数で、9人 中、女婿の加藤氏を含め 5人が世襲議員。ついで
は、麻生と菅義偉・元総 策を打ち出していない。 理の争いとされた。菅は 負債をこれだけ残して 早くから「小泉支持」を打 退場し、本来なら表舞台 ち出し、一見有利に戦い から消えるはずの岸田が、 を進めているように見えた。 「超保守」の高市を総裁 決戦は「石破 小泉」にな にさせない場面で一躍脚
その「顔」に誰を据えるべ
きか。
写真は、自民党本部の
壁面に掲げられた総裁選
ポスターだ。Matchには「相
応しい人」という意味があ
る。今回総裁選に当たって、
自民党は「生まれ変わる」
ことを約束した。それに「相
応しい」総裁を選んで来る
べき総選挙にも勝利する
算段だ。
そもそもの発端は裏金 について、1円単位で領 事件である。自民党の派 収証と使用目的を精査さ 閥は木曜日正午に会合を れる一般庶民とのあまりの 開いていた。同時刻に開 格差と優遇に、自民党支 くことで他派閥との掛け 持者をも含めて激しい怒 持ちを許さない。それに りが渦巻いた。 よって結束を強めていた。 東京地検特捜部は 年
を課し、それ以上の券を である宏池会の解散を宣 売ると議員個人の収入に 言、これを契機に、副総 なるシステムが慣習化し 裁派閥の麻生(太郎)派・ ていた。中でも安倍派は、 志公会だけを残して、最 ノルマ越えのパーティ券を 大派閥だった安倍派・清 売り上げた議員にキックバ 和会や、幹事長派閥の茂
総裁選は国会議員票 に言えば、小林、林、上 368に同数の党員・党 川、茂木の4氏がハーバー 友票を合わせた736票 ド大ケネディスクールの出 で争う。1回目の投票で 身だった。 過半数を獲得する候補が 結果は多くの読者が既 いなければ決戦投票とな にご存知の通り、5回目 り、党員票は 都道府県 の挑戦となった石破茂が
ると踏んで準備に余念が なかった。その間に、急速 に支持を伸ばしてきたのが
光を浴びることになった。 岸田派とされた名門・宏 池会は解散宣言こそした が、結束は消えていない。 石破新総裁に恩を売る形 ができたのである。いま 永田町には「総裁選後の 岸田一強へのしたたかな戦 略」の結果だとする言説 が流布している。 さて新総裁だ。党員や 国民の人気は高いのだが、 党内国会議員の評価は真 逆で孤立していると言わ れていた。5月に都内の 日本料理店で小泉純一郎 元首相と会食した際、「首 相になるには才能、努力、 運が必要。努力の中では 義理と人情を大切にしな さい」と諭されたという。 石破も「足らざるところ」 と認め、「 年間の政治 生活の総決算。原点に戻
9月 日、自民党の新
総裁が決まった。日本国
の次の総理が決まったとい
うことでもある。
この党内選挙、政権与
党としての延命を図る選
挙でもあった。来たるべき
衆院選で勝たなければな
らない、来年の参院選も
負けるわけには行かない、 しない「裏金」として勝手 「政治とカネ」が最大の と退陣を表明。これによ 議員票の大量獲得が必須
ックしながら政治団体の 木(敏充)派・平成研究会、 ない」と非難に包まれてい
収支報告書には記載せず、 二階派・志帥会などが相 た岸田首相も、8月 日
雑所得として税務申告も 次いで解散を表明した。 に「総裁選に出馬しない」 で1票ずつに限定される。 決選投票で逆転勝利して
「超保守」とされる高市だ った。麻生は「石破 小泉」 では出る幕がない。「高市
に使っていた。政治資金 焦点とされた通常国会で り、派閥の縛りが無い初 になる。
総理・総裁の座を掴み取 った。
を決戦に進めたい」一心で、 自派の河野を見限ったので ある。だが、「勝ち馬に乗 りたい」という邪念は敢え なく潰えた。 一方の菅も、小泉の敗 退で野望を絶たれた。 そこで漁夫の利を得た のは、総裁選出馬を断念 した岸田文雄であった。 「令和版所得倍増計画」 や「新しい資本主義」「デジ タル田園都市構想」といっ た数々のスローガンを打ち 出した岸田政権の政策は、 ほとんど何も進むことな く終わった。実質賃金は過 去最長のマイナスを記録し、
規正法と脱税という二重 は、しかし、政治資金規 めての総裁選挙が行われ の違法・脱法行為である。 正法の生ぬるい改正案が ることになった。自民党議
名乗りを上げたのは届
出順に、高市早苗経済安
全保障担当相( )=無派
閥▽小林鷹之前経済安
全保障担当相( )=二階
派▽林芳正官房長官( )
=旧岸田派▽小泉進次郎
元環境相( )=無派閥
▽上川陽子外相( )=
旧岸田派▽加藤勝信元官
房長官( )=茂木派▽
河野太郎デジタル相( ) 認したのに、終盤に、そ
説明を迫られた安倍派 幹部ら疑惑議員は「後援 会活動に使った」「政治活 動費だ」などと言って使途 を明確にしない。中には 巨額の裏金全額を「使途 不明」で済ませた議員もい た。税務申告に際し、課 税対象から外せる「経費」
成立しただけで、根本解 員368人は旧派閥のボ 決には程遠い結果に終わ スや実力者の指示に従う
ただ、そこに行き着く までに、醜悪としか言え ない老人たちの権力への 飽くなき闘争があった。 主人公が麻生太郎という
日本は生まれ変われるか...
は「老後のお金 僚経験も豊富。政治生活 は自分たちでリスクをとっ の集大成として生まれ変 て稼げ」という代物。中央 わろうとする石破が、自 政府・自治体の情報化や、 民党を、そして日本を生 物価高、高齢化に伴う社 まれ変わらせることがで 会保障改革など、喫緊と きるか、取り敢えず注目 言える課題にも有効な施 したい。(一部敬称略)
新総裁に逆転勝利の石破氏 権は握っておきたいという 愚かな欲望である。初め
=麻生派▽石破茂元幹事 長( )=無派閥▽茂木 敏充幹事長( )=茂木
の河野の形勢利あらずと 知ると、河野支持を1回 目から高市支持に乗り換 えるよう派内に指示した と伝えられた。高市の議 員票は各メディアの票読 みでは 票前後とされて いたのが 票にも膨れ上 がったのはそのためである。 しかし、決戦では逆転の 憂き目を見る。 「キングメーカー争い」な のだという。党内の主導
歳の老人である。他の 派閥が軒並み解散表明す る中で、唯一、それを拒 否した。総裁選にあたっ ては、自派の河野太郎が 出馬を表明し、麻生も容