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[ 9 ] 10/18/2024 YOMITIME・WWW.YOMITIME.COM・info@yomitime.com・
野崎 真志 MASASHI NOZAKI 映画 / 映像プロデューサー (出身:石川県)
★18歳頃に観た1本の映画に触発
濡れ衣によって投獄された有能な銀行員が、刑務所内 の人間関係を通して腐敗した刑務所の中でも諦めずに 人生を生き抜く姿を描いた映画「ショーシャンクの空」 に感動。自分もそのような感動を与えられるものを作 りたいと、それまで以上に映画に興味を持つようにな りました。
★留学して気付いた日本文化の素晴らしさ
実家の金沢で時間を過ごしていた2013年当時、地元 の茶屋街や九谷焼などの文化の素晴らしさを感じ、日 本の文化に関わることで映画や映像を作りたいという 想いで留学を決意しました。大学卒業旅行で、ヨーロッ パを8 ヵ国バックパッカーで周り、イギリスにも旅行。
当時は伝統があるヨーロッパがとても好きだったことと、英語を学んでインターナショ ナルに働きたかったことから、イギリス最大の映画製作の専門学校「メット・フィルム・ スクール」を選びました。イギリス留学時に、石川県の能登半島を訪れる機会がありま した。金沢で育った私は、同じ県内でありながらも能登半島は、食べるもの、自然、話 す言葉、建物、工芸など、すべてが違い感動しました。留学を通して異文化に触れたこ とで、日本や地元文化のすばらしを再確認出来たと思います。それらを映像で、自分が 感動したもの、ストーリーを持った作品を海外の人にも伝えたいと思い、制作をはじめ ました。
また、「Jiro Dreams of Sushi (二郎は鮨の夢を見る) 」(2011年)という鮨職人のこ だわりを描いたドキュメンタリー映画が欧米でヒットしていたのですが、たまたまその 映画を観て、日本食の可能性を感じ、自分もこんな映像を作ってみたいと思うようにな りました。
★日本の価値を伝える意義
日本は東アジアの島国の中でも、独自の文化を長い間保ってきました。日本の食文化や 伝統芸能は、長い歴史の中で培われてきたものであり、世界的にもユニーク。それらを 伝えることが文化の継承に繋がる。海外の人々や次世代に「日本の価値」を正しく、私 の場合は「映像」として見せることが、互いの相互理解に繋がり、互いを尊重する文化 もまた培われることになると考えています。 ★多様なバックグラウンドを内包する街、ニューヨーク いうまでも無く、ニューヨークは世界中から人々が集まる国際都市であり、多様な文化 や価値観が共存しています。ニューヨークの知人から聞いた話ですが、ニューヨークで
は多くの人がマイノリティであると。日本で「日本人」として生活することは当たり前ですので、 よりチャレンジングな環境に身を置きたいと思いました。「映画」とは、多様な視点や文化を反 映できるメディアです。ニューヨークで様々なバックグラウンドを持つクリエイターと協力し、 よりグローバルで文化を深く理解する観客層に見てもらえるような作品に関わっていきたい。さ らに踏み込んで、アメリカで感じる社会問題や環境問題など、自分が深く考えさせられるテーマ を扱った作品を制作し、観客と共有していけたら嬉しいですね。
★将来のビジョン
これまでは地域のシェフや工芸作家さんなど、日本文化を体現している方々の活動を映像に収め た作品を多く手がけてきました。現在、3年間かけて制作したドキュメンタリー「ときと 革新の 料理人たち、540日の記録」を作り終えたばかりで、これから来年にかけて国際映画祭で上映が 予定されているため、その作業に追われています。本作は2024年10月にワルシャワ国際映画 祭ドキュメンタリー・コンペティションにノミネート されました。これからも異文化や他国との相互理解の 架け橋となるべく作品を作っていきたいです。
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日本ギャラリー陶芸展
「縄文から未来へ―田中佐次郎展」
伝統と現代感性が融合
60
23 10 17
65 87
宝塔 : 阿弥陀如来 (Pagoda: Amida Nyorai)
■ 10 月 17 日(木)~ 23 日(水) ■会場:日本ギャラリー(日本クラブ内) 145 W. 57th St. ■日曜休館 ■入場無料
■ TEL: 212-581-2223 gallery@nipponclub.org ■ www.nipponclub.org
23 11 17
c o n t a c t
Strikethrough#5
■ 11 月6日(水)~ 23 日(土) ■レセプション:11月7日(木)6-8pm ■会場:Artifact Projects Gallery 155 Suffolk St. ■入場無料
■ TEL: 212-255-6651 info@airgallery.org
■ www.artifactnyc.net
https://storeal.tokyo instagram.com/masashi_nozaki
詳細は ウェブサイトへ
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A division of Yomitime Inc. and Mar Creation, Inc.
唐津焼の名陶工・ 田中佐次郎個展「縄 文から未来へ―田中 佐次郎展」が、日本 ギャラリーで 月 日 (木)から 日(水) まで開催されている。 田中は1937年 福岡県北九州市に 生まれ、 年から鎌 倉円覚寺で参禅を開
始、 年には縄文・ 弥生土器の発掘調査 に携わり、手びねり や野焼きを始めた。 今年で 歳。今も なお標高700メー トルの山中にある山 瀬窯で、窯焚きに向 き合っている。窯焚 きは、3日間にわた る摂氏1300度の
炎との対話で、まさ に魂の儀式。これま で千回以上の窯焚き を行い、その過程で 独自の哲学と美学を 育んできた。窯焚き の偶然性が生み出す 釉薬の美しさと、炎 の力で生まれる独特 の質感が、田中の作 品に息づいている。
今回の個展では、 岡 田 桂 ・ 個 展 のように表現してい 山瀬窯で自ら掘り る。「ネガティブでは 起こした粘土を使っ「Strikethrough」なくリセット、前に
「映像」が深める相互理解
た、柔らかく繊細な
手触りと色合いを持 ニューヨーク在住ア
進むイメージになる 入場無料。 ように試みた新シリ
つ作品群が展示され ーティスト岡田桂(お
る。茶碗、花器、宝 かだ・かつら)の個
塔などの新作は、古 展「Strikethrough 墨と色鉛筆などで描
身。1990年初 頭から欧米で制作活 動を始め、2002 年からニューヨーク在 住。
唐津の伝統を継承し (取消し線)」が、 ながらも、現代的な 月6日(水)から 日 感性が融合した作品 (土)まで、ローワー 群だ。 イーストサイドの画
いたミクストメディ アの抽象画 点が展 示される。有機的な アンフォルメル(不定 形)と、製図のよう な細く鋭い線のレイ ヤーで、取り消し線
廊アーティファクト・ プロジェクツ・ギャラ リーで開催される。
手漉きの和紙に、 ーズです」と岡田。 金箔、粉末絵の具、 岡田は東京都出
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