2021年1月15日号 Vol.389

MoMAが選んだ
革新的な映画作品
「コンテンダーズ2020」

MoMA恒例の映画シリーズ「コンテンダーズ2020」が2月28日(日)まで開催中。過去12ヵ月に上映された世界各地の映画祭から、MoMA映画部が革新的な作品を選出・上映するもので、今回で13回目。劇場が閉鎖されているためストリーミング配信で、視聴はMoMAメンバー(Accessメンバー以上の加入)となっている。作品は、オーダー開始から24時間以内、アメリカ国内とその領土のみで視聴が可能。ここでは残りの上映作から、いくつかを紹介したい。

マイケル・アルメレイダ監督「テスラ(Tesla)(邦題:テスラ エジソンが恐れた天才)」

セルビア系アメリカ人の物理学者で「マッドサイエンティスト」と呼ばれた天才発明家のニコラ・テスラ。発明王トーマス・エジソンと競った「電流戦争」で勝利し、「もしテスラがいなければ、世界は100年遅れていた」とも言われた人物だ。

文字通り「世界を輝かせた」テスラの孤独と、転落の人生を描いた伝記映画。テスラをイーサン・ホークが、エジソンをカイル・マクラクランが熱演。

●Tesla:1月19日(火)12pm〜24日(日)12pm

Tesla. 2020. USA. Directed by Michael Almereyda. Courtesy IFC Films


スパイク・リー監督「ザ・ファイブ・ブラッズ(Da 5 Bloods)」

ベトナム戦争からおよそ半世紀。4人の黒人帰還兵が、置き去りにした隊長の亡骸と埋めた金塊を回収しようと、ベトナムへ舞い戻る。

実際の記録映像や写真を散りばめ、現実と過去の思い出を行き来する彼らを通して、今なお続く戦争の後遺症とアメリカ社会の闇をあぶり出した作品。昨年6月からネットフリックスで配信。

●Da 5 Bloods:1月19日(火)12pm〜24日(日)12pm

Da 5 Bloods. 2020. USA. Directed by Spike Lee. Courtesy Netflix


クリトバル・レオン監督とホアキン・コシーニャ監督「ウルフ・ハウス(The Wolf House 原題: La Casa Lobo)」

チリに実在した拷問施設「コロニア・ディグニダ」をイメージして制作されたストップモーション・アニメ。

ドイツから逃れ、チリ南部のコロニーに逃げ込んだ少女マリア。2匹の豚が次第に人間へと変身し、家の中が変容していく様子は、目に見えない危険にさらされた少女の悪夢をトレースしたかのようだ。「三匹の子ぶた」と「赤ずきん」を連想させつつ、ユートピアとは真逆の世界が描かれている。

●La Casa Lobo (The Wolf House):1月21日(木)12pm〜26日(火)12pm

The Wolf House. 2018. Chile/Germany. Directed by Joaquín Cociña, Cristóbal León. Courtesy Kim Stim





The Contenders 2020
■2月28日(日)まで
■視聴はMoMAメンバーのみ
MoMAメンバーシップ(1年間):Annual Pass$65
Access$110、Explore$200、Supporting$600
※オンラインでの映画視聴は「Access」メンバーから
www.moma.org/calendar/film/5246



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