2020年1月24日号 Vol.366

野田作品8年ぶりのNY公演
「One Green Bottle」
世の不条理と不寛容を鋭く描く


ONE GREEN BOTTLE, Photo by Kishin Shinoyama


野田秀樹(東京芸術劇場芸術監督)作・演出・出演の「One Green Bottle」が、2月29日(土)から3月8日(日)まで、ラ・ママ実験劇場で上演される。全8回公演。野田作品のニューヨーク公演は8年ぶりだ。

「One Green Bottle」は2010年、野田と中村勘三郎、黒木華、太田緑ロランスによって上演された話題作「表に出ろいっ!」の英語版。イギリスの人気ドラマシリーズを手掛ける新進気鋭の脚本家、ウィル・シャープが翻案を手掛けた。

軽妙なセリフの応酬で、喜劇風に現代カルチャーを反映しながらも、世の不条理と不寛容を鋭く描く。17年に東京と韓国、18年にロンドンとルーマニアで上演され、国内外で高く評価されている。

野田がタッグを組むのは、フランスを拠点に活躍する実力派女優リロ・バウワーと、野田作品の海外公演ほぼすべてに参加してきた個性派俳優グリン・プリチャード。演奏は、歌舞伎音楽の若手演奏家・田中源一郎が務める。ニューヨーク公演に先立ち、台湾でも初公演を行う。

▼あらすじ
「One Green Bottle」は、父、母、娘の三人家族の物語。ある夜、三人はそれぞれ絶対に外出しなくてはならない理由があった。しかし、飼い犬が出産間近とあって、誰かが家に残り、面倒を見なくてはならない。嘘、裏切り、あの手この手を使いそれぞれが他の二人をあざむき、なんとか家を抜け出そうとする。やがてそれぞれの「信じるもの」が明らかにされ、互いの中傷、非難、不寛容が、事態を思わぬ方向へと導いていく。果たして三人に救いはもたらされるのか?

■2月29日(土)〜3月8日(日)
 月〜土7:00pm、日5:00pm、火曜休演
■会場:La MaMa Experimental Theatre Club
 66 E. 4th St. (bet. Bowery & 2nd Ave.)
■一般$35、学生・シニア$30
■ボックスオフィス:TEL: 212-352-3101
 劇場内Mezzanine Level 1※開演1時間前オープン
lamama.org



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