2020年2月7日号 Vol.367

MoMAでドキュメンタリー上映会
日本から「精神0」と「れいわ一揆」
「ドキュメンタリー・フォートナイト」


Crip Camp, 2019. USA. Directed by Nicole Newnham and James LeBrecht. Courtesy Netflix and Higher Ground Productions;


「精神0」Zero, 2019. Japan. Directed by Kazuhiro Soda. Courtesy Laboratory X


「れいわ一揆」Reiwa Uprising, 2019. Japan. Directed by Kazuo Hara. Courtesy Fukyo Films


Some Kind of Heaven, 2019. USA. Directed by Lance Oppenheim. Courtesy Los Angeles Media Fund


ニューヨーク近代美術館(MoMA)で2月5日(水)から19日(水)まで、ノンフィクション映画を取り上げる上映会「ドキュメンタリー・フォートナイト」が開催される。19回目となる今年は世界38ヵ国から選出された長短編40本以上を上映する。

オープニングは、ニコール・ニューマンとジム・レブレットが監督した「クリップ・キャンプ」。1960年代後半から70年代初期にかけ、障がいを持つ10代の若者を対象に、ウッドストックの近くで行われていたキャンプの様子を記録したドキュメンタリー。サンダンス映画祭で取り上げられ、オバマ元大統領夫妻の制作会社「ハイヤー・グラウンド・プロダクション」と、映像配信会社ネットフリックスが配給する話題作。

センターピースは日本から、想田和弘監督の新作ドキュメンタリー映画「精神0」。主人公は、2008年に発表した「精神」の主人公で、精神科医の山本昌知医師夫妻。
山本医師は196 0年代、精神科病院の鍵を外す運動の先頭に立った人物。「精神」では、精神科診療所「こらーる岡山」を拠点に、患者本位の医療を実践する「赤ひげ先生」の姿が描かれた。
その山本医師も82歳となり、医療の現場から引退することに。長年、山本医師を命綱のように頼ってきた患者たちに動揺が広がる。一方、山本の仕事を陰で支えてきた妻・芳子は、重い認知症を患い、介護を必要としていた。まだ肌寒さが残る春、二人の新たな生活が始まる。
14日は、想田監督と、制作会社ラボラトリーXの柏木規与子氏が来場、作品紹介を行う予定。

日本からもう1本、原一男監督の「れいわ一揆」が上映される。
女性装の東大教授として知られる安冨歩(やすとみ・あゆみ)が、れいわ新撰組の比例代表候補として参院選に出馬。スローガン「子どもを守り未来を守る」を掲げ、全国キャンペーンに乗り出す様子を軸に、他候補者たちの姿も捉えたドキュメンタリー。

クロージングは、ランス・オッペンハイム監督の「サム・カインド・オブ・ヘブン」。
フロリダ州の街、「ザ・ビレッジ」は、世界最大規模の「リタイアメント・コミュニティ」。居住者約13万人の多くは白人で、定年を迎えた裕福な人々が暮らしている。だが、映画に登場する4人の主人公たちは、「ザ・ビレッジ」が決して「退職者たちのディズニーランド」ではないことを浮き彫りにする。
全上映リストはオフィシャルサイトで。

Doc Fortnight 2020
■2月5日(水)〜19日(水)
■会場: MoMA
 11 W. 53rd St.
■映画鑑賞のみ:一般$12、65歳以上$10、学生$8
www.moma.org
★作品リスト(抜粋)
・Crip Camp:2/5(7pm)
・Zero「精神0」:2/14(7pm)、2/18(7pm)
・Reiwa Uprising「れいわ一揆」:2/12(6:15pm)
・Some Kind of Heaven:2/19(7pm)



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