2024年2月9日号 Vol.463

訃報
村瀬裕子さん、死去
日本文化の橋渡しに尽力

村瀬悟弁護士の妻、村瀬裕子さんが1月25日、脳腫瘍のためマンハッタンの自宅で家族に囲まれながら亡くなった。享年64歳。

偲ぶ会の会場に設置されたスクリーンに映し出された裕子さん(左)と村瀬氏

遺族は夫の悟氏と2人の息子。葬儀は、故人の遺志により近親者のみで行われた。弔問、香典、供花、供物もまた故人の遺志により辞退。なお、「もしご用意いただく場合は、故人が理事を務めたイサム・ノグチ美術館へのご寄付をご検討ください」と案内している。

ノグチ美術館で行われた偲ぶ会にはおよそ460人が参列した

2月6日、クイーンズ・アストリアにあるイサム・ノグチ美術館で偲ぶ会が開催。裕子さんが理事を務めたノグチ美術館の関係者はじめ、所属していたブリッジ・クラブ関係者、日系企業の友人などおよそ460人が参列した。

美術館1階で行われた偲ぶ会では、バイオリンとチェロの音が会場に流れ、参列者を歓迎。喪主の村瀬氏が挨拶を述べた後、2人の息子も思い出を交えながらスピーチ。また、ノグチ美術館の代表や、ブリッジ・クラブのメンバーが友人代表として登壇、裕子さんが果たした功績などに触れ、別れを惜しんだ。

挨拶する村瀬氏

会場に設置されたビデオ・スクリーンには、家族や友人知人とのスナップ写真がループ上映。参列者は裕子さんを偲び、思い出を語り合った。
村瀬裕子さん:広島生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業後、住友商事東京の法務部に勤務。村瀬悟氏と結婚後、1987年にニューヨークへ移住。コロンビア大学国際公共政策大学院で修士号を取得した。生前は、スミソニアンアジア美術館理事、イサム・ノグチ美術館理事、第9期東京都芸術文化評議会評議員などを務め、日本文化・芸術をアメリカへ伝えようと尽力。同時に、日米婦人会副会長やNY三田会理事など、日系コミュニティでも頼りにされる存在であった。

ブリッジが趣味で、アメリカの有名クラブで優勝するほどの実力派。病床にありながらも最期までブリッジを楽しんでいたという。

■イサム・ノグチ美術館(寄付先)
www.noguchi.org/museum/support/give-a-gift
■問合せ(村瀬悟氏):
SMurase@mayerbrown.com


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