2020年2月21日号 Vol.368

北米最大!子ども向け映画祭
オープニングは「海獣の子供」
「ニューヨーク国際子ども映画祭」(NYICFF)


「海獣の子供」Children of the Sea, Ayumu Watanabe, 2019


「今日も嫌がらせ弁当」Bento Harassment, Renpei Tsukamoto, 2019


「音楽」On-Gaku: Our Sound, Kenji Iwaisawa, 2019


「少年猿飛佐助」Retrospective: Magic Boy, Akira Daikuhara and Taiji Yabushita, 1961


23周年を迎える北米最大の子ども向け映画祭「ニューヨーク・インターナショナル・チルドレンズ・フィルム・フェスティバル(NYICFF)」が、2月21日(金)から3月15日(日)まで開催される。世界各国から選りすぐりのアニメーション、実写、長・短編作品を上映。「子ども向け」だと侮ることなかれ、大人の鑑賞にも耐えられる良作揃いだ。

今年は日本から長編4本、短編9本が上映される。
オープニングを飾るのは、渡辺歩監督の「海獣の子供」、五十嵐大介の同名漫画が原作。
気持ちをうまく表現できない中学生の琉花。夏休み初日、所属するハンドボール部でトラブルを起こし部活禁止に。父が働く水族館に出かけた琉花は、ジュゴンに育てられたという不思議な少年の「海」と、その兄の「空」と出会う。3人の出会いをきっかけに、地球上では様々な現象が起こり始める…。
海外ファンも多い「スタジオ4℃」がアニメーションを、久石譲が音楽を担当。圧倒的な映像美と音楽が話題となった。

塚本連平監督の「今日も嫌がらせ弁当」は、人気ブログから書籍化された同名エッセイを映画化。
シングルマザーの持丸かおりが、反抗期の次女・双葉への逆襲として、彼女が嫌がる「キャラ弁」を作り続ける。やがてその「キャラ弁」は、娘へのメッセージとなっていく。涙無しには観られない親子の温かな愛情物語。

岩井澤健治監督の「音楽」は、大橋裕之の漫画「音楽と漫画」が原作。
楽器を触ったこともない3人の不良学生がバンドを組み、野外ステージ出演を目指す。
71分の作品だが、作画は全て手描きで4万枚以上、制作期間は7年越え。オタワ国際アニメーション映画祭・長編コンペティション部門でグランプリを受賞した詩的でシュールな異色作。

東映動画スタジオの長編アニメ「少年猿飛佐助」は、檀一雄の同名小説が原作。
物語の舞台は信濃の国の山里。多くの動物を友達に、姉・おゆうと楽しく暮していた佐助だが、ある日事件が起きる。
「東洋のディズニー」を目指して制作された本作は、ベニス国際映画祭児童映画部門でグランプリを受賞した。

「フレンズ&ネイバーズ:ジャパン」と題して短編9本がラインナップ。「ゆめみのえ」(山村浩二監督)、「ごん、リトル・フォクス」(八代健志監督)、「あむあむごっくん」(上野晴奈監督、タイガトモコ監督、松田みなと監督)、「清水煩悩 シャラボンボン」(ヨコ・ユキ監督)、「こにぎりくん」(宮澤真理監督)ほか。
全スケジュールはオフィシャルサイトで。

New York International Children's Film Festival
■2月21日(金)〜3月15日(日)
■会場:
①Scandinavia House:58 Park Ave.
②SVA Theatre:333 W. 23rd St.
③Cinépolis Chelsea:260 W. 23rd St.
④IFC Center:323 6th Ave.
⑤Alamo Drafthouse Cinema:
 445 Albee Sq. W. (Brooklyn)
⑥Museum of the Moving Image:
 36-01 35 Ave. (Queens)
■$14.50~、All-Accessパス:$475
www.nyicff.org

●Children of the Sea「海獣の子供」
2/21(6:30pm)②、3/8(2pm)②

●Bento Harassment「今日も嫌がらせ弁当」
2/23(12:30pm)②、3/1(11am)③、3/8(5pm)②

●On-Gaku: Our Sound「音楽」
2/22(5pm)①、2/29(2pm)③、3/7(11am)④

●Magic Boy「少年猿飛佐助」
2/29(5pm)①、3/8(10:45am)④

●Friends & Neighbors: Japan
2/29(12:30pm)②、3/1(11:45am)③、3/7(3pm)③



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