2020年2月21日号 Vol.368

ヨーヨー・マほかの室内楽トリオ
内田光子+マーラー共演
3月のカーネギーホール2選


(l to r) Emanuel Ax, Leonidas Kavakos, and Yo-Yo Ma (Photo © Jennifer Taylor)


Mahler Chamber Orchestra / Mitsuko Uchida (Photo © Jennifer Taylor)


毎年3月のニューヨークでは数多くのクラシック音楽コンサートが行われるが、ここでは、カーネギーホールで開催される注目の2組のアーティト達によるコンサートについて紹介してみたい。

ベートーベン生誕250周年記念の今年、カーネギーホールではベートーベンの主要な作品ほぼ全てを演奏している。
3月で見逃せないのは、エマニュエル・アックス(ピアノ)、レオニダス・カヴァコス(バイオリン)、ヨーヨー・マ(チェロ)のトリオが3回にわたって開催する室内楽のオール・ベートーベン・プログラム。アックスやヨーヨー・マのかつての盟友であり、カーネギーホールを解体の危機から救った天才バイオリニスト、アイザック・スターンの生誕100周年記念をも意味している(カーネギーの大ホールはスターンの業績を記念し、スターン・オーディトリアムと名付けられている)。
日程とプログラムは、4日(水)がチェロソナタ第4番ハ長調、バイオリンソナタ10番ト長調、ピアノトリオハ短調作品1第3番。6日(金)がチェロソナタ第2番ト長調作品5第2番、バイオリンソナタ第6番イ長調作品30第1番、ピアノトリオ変ホ長調作品70第2番。8日(日)がバイオリンソナタ第4番イ短調作品23、チェロソナタ作品第3番イ長調作品69、ピアノトリオ変ロ長調作品97「大公」。ベートーベンの作品群の中でも、最も深遠な内容を持つと言われる室内楽曲を、超一流の生演奏でまとめて聴くチャンス。

かわって28日(土)には内田光子がマーラー・チェンバー・オーケストラ(マーラー室内管弦楽団)と共に登場。
マーラー・チェンバー・オーケストラは1997年に創設された、ベルリンを拠点とする室内オーケストラ。内田は近年、このマーラー・チェンバー・オーケストラとの共演を精力的に行なっており、2016年には同楽団と共にモーツァルトのピアノ協奏曲の「弾き振り」でヨーロッパツアー、日本ツアーを行ない、大好評を得ている。そのコンビがカーネギーにやってくる。
このコンサートでも内田の得意とするモーツァルトのピアノ協奏曲2曲(第17番ト長調K・453と第22番変ホ長調K・482)を演奏する。プログラムは他に、イェルク(ヨルグ)・ヴィトマン作曲の「Choralquartett」。(木川貴幸)

Emanuel Ax, Piano
Leonidas Kavakos, Violin
Yo-Yo Ma, Cello
■3月4日(水)8:00pm
■3月6日(金)8:00pm
■3月8日(日)2:00pm
■$43〜

Mahler Chamber Orchestra
Mitsuko Uchida
■3月28日(土)8:00pm
■$18.50〜

■会場:Stern Auditorium / Perelman Stage
 Carnegie Hall:881 Seventh Ave.
■212-247-7800
www.carnegiehall.org


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