2024年2月23日号 Vol.464

曲線の微睡み「DAYDREAM」
ギャラリーマックスで
CGアーティスト 横山弥生 個展

日本のCG草創期から3Dプログラミングによるアート表現を追求してきた横山弥生の個展 「DAYDREAM」が3月5日(火)から9日(土)まで、ソーホーの「ギャラリーマックス・ニューヨーク」で開催される。オープニングレセプションは5日午後6時から8時、入場無料。

横山は80年代からヨーロッパ、アメリカ、アジア、日本の各都市で精力的に作品を発表。ニューヨークでの個展は2015年以来、2度目となる。

Bossa Nova #10  (Images courtesy by artist)

横山は武蔵野美術大学・油絵学科卒業後、CGに出会い、絵具で描くことからデジタルによる創作へと進んだが、デジタル表現の面白さを追い続けながらも、デジタルの風合いを消すという試みも一貫して追求。「デジタルもアナログも境い目がない」と考える横山にとって、絵画を描くように一枚のCGアートを仕上げることが制作の原点だ。
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これまで、横山がデジタル技法を駆使して描いた作品のテーマは「曲線美」。抽象表現が主であったが、近年はその曲線から女性の裸体を想起させるものがあると感じ、具象表現へと進化している。

EGOIST #1

今回は、それぞれの女性が過去の事象を懐かしみ、静寂の中に身を包むような、自らを慈しむようなシリーズ展開である。CGならではの抽象的な曲線美に実際の女体の曲線を重ね合わせることで、女性が体感を経て身にまとってきた思いや迷い、過去・感情・傷・執着・後悔・希望・高揚・プライドなどを、3次元的視点から表現している。

展示は、窓越しに差し込んだ光が女性の裸体に当たり、その陰影の如く人生の光と陰を映す「Bossa Nova」シリーズ約10点、シルクスクリーンによる網状の白い花が金紙に散りばめられ、凛とした曲線が日本の美を主張する 「PHASE」シリーズ約11点、「傘に転写の2点を含む「Portrait」シリーズ約13点、「Curve」シリーズ2点など。

横山は、「デジタル技術を追い続けてきたが、最近では絵画の感覚を思い起こしつつ筆を握ることもある。己が持つ相対する感受、例えば過去と未来・静と動・光と陰など、両局面からの関係に意識を巡らせつつ表現をしていく方法を模索している」と話す。

横山弥生 個展
■3月5日(火)〜9日(土)  火〜土: 11am〜6pm
■オープニングレセプション:5日(火)6〜8pm
■会場: Gallery Max New York
 552 Broadway, Suite 401(buzz #9)
 Bet. Prince & Spring Sts
■問い合わせ: https://artspheres.org


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