2018年3月30日号 Vol.322

叔母の影響受け、医療の世界へ
東洋人の肌質を理解
皮膚科医 ケネス・ハウ先生



東32丁目にある皮膚科クリニック「ウェクスラー皮膚科グループ」に勤務する皮膚科医師のケネス・ハウ先生=写真=。「医学は日々進歩し、驚くことが多いですね」と、穏やかに微笑む。医療の世界に進むきっかけは医者だった叔母の影響が大きかったという。「小さい頃、私は叔母が大好きで、彼女が医者だったこともあり医療に興味を持っていました。叔母は1970年代にはまだ珍しかった救急救命医で、フィラデルフィアの病院で働いていました。仕事に対する情熱、患者への温かい対応、そして医療について私に話してくれたことなど、本当に素晴らしかった。私が医者を志したのは、叔母の存在が大きかったですね」
1986年にペンシルベニア大学を卒業、1990年にUCLAの医学部に進学し学位を取得。同大学での医療インターンを終えた後、再びペンシルベニア大学へ戻り、皮膚科のインターンシップを完了。ベスイスラエル医療センターを経て、2001年から現在の「ウェクスラー皮膚科グループ」に勤務している。
「UCLAには素晴らしい教師がたくさんいました。とりわけ皮膚科においては、エイズに関連する皮膚疾患の治療、注射可能なコラーゲンの早期使用など、大学病院の研究室では多種多様の研究がされていました。それらを目の当たりにしたことで、興味を持ちました」
一般的に、日本人と欧米人(白人種)の肌は、皮膚の厚さ、皮脂量、メラニン量に違いがあるといわれている。もちろん個人差はあるが、日本人の肌は欧米人よりも「キメが細かく、シワができにくい」が、「シミが出来やすい」とされる。欧米人に比べると日本人は「皮膚層が薄い」ため、外からの刺激(紫外線など)に弱い傾向があることもひとつの要因だ。
「肌について、様々なアドバイスがありますが、やはり日差しには気をつけて欲しいです。シミやそばかす、シワなどは、日差しに注意することで予防効果が期待できます。私の患者さんの多くは、日差しに起因する皮膚の損傷を修復し、元に戻すことを目的に来院されています」
東洋人の肌質を理解するハウ先生の元へ通う日本人もいるという。
「みなさんが人の役に立てた時に嬉しく思うように、私も患者さんの悩みを解消できた時、『医者になってよかった!』と思います。医療に従事する人々の努力のおかげで、医療技術は進歩しています。今まで出来なかったことが可能になる。それは素晴らしいこと。ザッツ・オールウェイズ・エキサイティング」と微笑んだ。(ケーシー谷口)

Dr. Kenneth Howe
Wexler Dermatology Group
■145 E. 32nd St.
■Tel: 212-684-2626
https://wexlerdermatology.com



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