2020年4月3日号 Vol.371

人々を勇気づける「花の画像」
多くの美術館がSNSに投稿
#MuseumBouquet(ミュージアムブーケ)





新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大を抑制するため、全米各地で自宅待機、外出制限などの措置を取るアメリカ。大勢の人々が不安を感じる中、世界各地の美術館や植物園、ギャラリーなどが互いを励まそうと「花の画像」をSNSに投稿している。

きっかけは3月24日(火)、ニューヨーク・ヒストリカル・ソサエティーがスミソニアン・アメリカン・アート美術館へ、ツイッターを通して送ったひとつのメッセージだった。アメリカの画家、マーティン・ジョンソン・ヘードが描いたリンゴの花の絵にハッシュタグ#MuseumBouquet(ミュージアムブーケ) を添え、「私たちはこのリンゴの花であなたの一日を明るくしたかった。#MuseumBouquetが、今日のあなたを笑顔にしますように」とメッセージを投稿。受け取ったスミソニアン・アメリカン・アート美術館は、すぐさま返答。同じくハッシュタグ#MuseumBouquetを使い、アメリカの画家・木版画家のマーガレット・ジョーダン・パターソンの「ガーデン・フラワー」の絵に「ありがとう。春の花々が、あなたの一日を明るくします」とメッセージを添えて投稿した。

この行動に、多くの美術館が反応。それぞれが所蔵作品から花をテーマにしたものを#MuseumBouquetのハッシュタグと共に次々とSNSに投稿。メトロポリタン美術館はグスタフ・クリムト後期の傑作「メーダ・プリマヴェージの肖像」=表紙写真=、グッゲンハイム美術館はジェフ・クーンの花の犬「パピー」、ノグチ美術館はノグチ・イサムのオブジェ「ひまわり」、シカゴ現代美術館は村上隆の「お花 お花 お花」、日本の東京国立近代美術館は川合玉堂の桜の絵「行く春」などを投稿。インターネットを通して美術館が届けるバーチャルな花のブーケが、人々を勇気づけている。


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