2020年4月3日号 Vol.371

ビデオ電話での遠隔診療
マウントサイナイの「テレ・ヘルス」
東京海上記念診療所が日本語で対応


ビデオ診察をする東京海上記念診療所ハーツデールクリニックの木村啓子先生(手前)と土井英太郎事務長(写真提供:東京海上記念診療所)


(1)App Storeで「MyChart」で検索する (2)「MyChart」アプリをダウンロードする (3)「MyChart」のアカウント設定で、病院を選ぶようになっているので、「Mount Sinai」を選択


東京海上記念診療所(マウントサイナイドクターズ・ジャパニーズメディカルプラクティス、桑間雄一郎院長)が、3月中旬からインターネット経由で、ビデオ電話による遠隔診療サービスを開始した。
英語でいう「ビデオ・ビジット」。マウントサイナイ病院が「テレ・ヘルス」の名称で、かねてから導入していたものだ。コロナウイルスの感染が広がり、ニューヨーク州政府が住民に自宅待機命令を出す中で、いよいよそのニーズが高まったため、本格展開に踏み切った。

COVID-19への緊急対応

ビデオ電話診療を利用するにはニューヨーク州内からつなぐ必要があったが、COVID-19への緊急対応処置として、ニューヨーク州外からでもビデオ診察ができるようになった。
必要なものは、スマホかタブレットか、コンピューター。前もって、「MyChart」というアプリをスマホ、タブレットにダウンロードし、コンピューターなら「MyChart」のウェブサイトで、アカウントをセットアップする。
「MyChart」は、多くの医療施設が導入している電子カルテシステムで、すでにアカウントを持っている人も多いはずだ。まだアカウントがない人は、新たに設定すれば良い。

まずは電話で予約を

ビデオ電話診療は全て予約制なので、まずは通常通り、東京海上記念診療所のマンハッタンクリニックか、ハーツデールクリニックの受付に電話(番号別記)をして、ビデオ診療の予約を入れることから始まる。その時に、ビデオ電話診療を受ける手続きや、「MyChart」の設定について詳しく説明してもらえる。
予約を入れ、「MyChart」のアカウントを設定し、自分の保険情報などもインプット。診療合意書に電子署名して初めて、ビデオ診療が可能になるということだ。
クリニックでの診療と同じで、診療時間は20分程度。保険プランに従ってコーペイを支払う。ちなみにコロナウイルスに関する保険診療にはコーペイがかからない。
保険を持たない人や、東京海上記念診療所が受け取らない保険を持つ人は、ビデオ電話診療の診療費は75ドルとなる。

今こそ必要なサービス

ハーツデールですでにビデオ診療を始めている加納麻紀先生は、サービス初日ですでに3人のビデオ診療を行ったそうだ。
「咳や熱など、風邪の症状がある場合、今はコロナウイルスの可能性があります。他の患者さんやクリニックのスタッフへの感染を防ぐためにも、ビデオ診療をする必要があります」と加納先生は言う。初日の3人の患者も、風邪の症状を訴えての相談だったという。
さらに加納先生は、「電話で声だけを聞くよりも、ビデオでお互いに顔を見ながら話した方が、その患者さんが検査を受ける必要があるかないか、判断も下しやすい」と、ビデオ診療のメリットを強調している。

ビデオ電話診療の予約・問合せ:東京海上記念診療所
Mount Sinai Doctors Japanese Medical Practice
■マンハッタン診療所:Tel. 212-889-2119
電話受付:8:00am~4:45pm(月~金)
■ハーツデール診療所:Tel. 914-997-1200
電話受付:9:00am~5:00pm(月~金)
■MyChart HP:mychart.mountsinai.org



HOME