2022年5月13日号 Vol.421

フジコ・ヘミング、リサイタル
7月にカーネギーで3年ぶり
リスト「ラ・カンパネラ」他

ピアニスト、フジコ・ヘミングのリサイタルが7月23日(土)、カーネギーホールで開催される。2019年までニューヨークでも定期的に公演を行っていたヘミングだが、コロナ禍で2020年公演が中止。2021年から徐々に活動を再開させ、今回は3年ぶりのカーネギー公演となる。

演目は、ヘミングのシグネチャーともいえるリストの「ラ・カンパネラ」を筆頭に、「革命のエチュード」として知られるショパンの「練習曲ハ短調作品10|12」、ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」から「月の光」などを披露する予定だ。



ヘミングは、ピアニスト大月投網子と、ロシア系スウェーデン人の画家・建築家の父の間にベルリンで生まれた。5歳で日本に帰国。母にピアノを教わり、17歳でコンサートデビューを果たす。30歳でドイツに留学、その間聴力を失うアクシデントに遭遇するが、ストックホルムで耳の治療を受けながらピアノ教師と演奏活動を行った。

日本での知名度が上がったのは、1999年に放送されたNHKのドキュメンタリー番組がきっかけ。デビューCD「奇蹟のカンパネラ」が200万枚を売り上げるというクラシック界異例の大ヒットになった。日本ゴールドディスク大賞、クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー他を受賞。2016年、NYの国連本部で日本国連加盟60周年記念の文化事業で演奏。イタリアン・ナショナル・オーケストラやモスクワ・フィルハーモニックなど、世界中の名門オーケストラと共演。また2018年、日本でフジコのプライベートを綴った初のドキュメンタリー映画「フジコ・ヘミングの時間」(監督:小松荘一良)が上映された。

今年3月31日、単行本「フジコ・ヘミング 永遠の今」が発売(出版:CCCメディアハウス)。撮りおろし写真50点以上に本人筆のイラストが収録されており、日常をこよなく愛する孤高のピアニストが「今」を語る。

■7月23日(土)3:00pm
■会場:Zankel Hall @ Carnegie Hall
881 Seventh Ave.
■Tel: 212-247-7800
■$35〜$40
www.carnegiehall.org


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