2019年5月17日号 Vol.349

ABT春シーズン開幕
世界初演3作品
アメリカン・バレエ・シアター

アメリカン・バレエ・シアター
Devon Teuscher and James Whiteside in Jane Eyre. Photo: Patrick Fraser

アメリカン・バレエ・シアター
Isabella Boylston and James Whiteside in Harlequinade. Photo: Rosalie O'Connor.

アメリカン・バレエ・シアター
Sarah Lane in The Sleeping Beauty. Photo: Rosalie O'Connor

アメリカン・バレエ・シアター
Skylar Brandt in Le Corsaire. Photo: Rosalie O'Connor

アメリカン・バレエ・シアター
Stella Abrera in Manon. Photo: Rosalie O'Connor


リンカーンセンターのメトロポリタン歌劇場は、5月13日を境に、オペラシーズンから恒例のバレエシーズンに衣替えされた。バレエの公演は7月6日まで続く。今シーズンは、アメリカンバレエ・シアター(ABT)の振り付け師で、アーティスト・イン・レジデンスのアレクセイ・ラトマンスキーの就任10周年記念が重なり、様々な企画が用意されている。
ABTは、193 9年結成以来、豪華なダンサー、華やかな舞台、古典からコンテンポラリーに至る多様な演目で、ニューヨーカーはもとより、日本公演も頻繁に行われるため、日本人にも大人気のカンパニーとして揺ぎない活動を続けている。
特に今シーズンは、ラトマンスキーの手掛ける新しい作品や、1981年生まれのトワイラ・サープ振付けの「サープ・トリオ」、舞台、映画、ミュージカルなどで何度も取り上げられているシャーロット・ブロンテの小説「ジェーン・エア」などが、ABT作品として世界プレミア上演される。他にラトマンスキーの手掛ける「道化師」「ホイップクリーム」などの楽しい舞台や、欠かせないABTの演目「海賊」「白鳥の湖」「眠れる森の美女」も再演される。
ABTのダンサーは、主役を踊るプリンシパル、ソロやパ・ド・ドゥや準主役を踊るソリスト、そしてその次の役名を担うコール・ド・バレエ、そしてまだ役名のない群舞となっているが、今シーズンは、コール・ドに相原舞、小川華歩、隅谷健人の3人が選ばれている。舞台での活躍が楽しみだ。
また、2007年にABTの舞台に初登場し、2009年からプリンシパルとしてカリスマ的な容姿と気品のある存在感で圧倒してきたロベルト・ボッレが、残念ながら6月20日「マノン」でフェアウェル公演を迎えることになってしまった。共演はヒー・セオ。
恒例のABTキッズは、5月18日午前11時から、シンデレラ、赤ずきんちゃん、長靴をはいた猫、などが舞台で子供たちを迎え、1時間の子供向けの演目が組まれる。4歳から12歳が対象で、チケットは25ドル。
ラッシュ・チケットがインターネットで申し込めるようになった。1人2枚(1週間に1回だけ)35ドル。月曜から金曜の夜公演は正午から、マチネ公演は開演4時間前から、土曜夜の公演は午後2時からそれぞれ先着順に販売される。(針ケ谷郁)

ABT Spring Season
■5月13日(月)〜7月6日(土)
■会場:The Metropolitan Opera House
 at Lincoln Center
 30 Lincoln Center Plaza
■Tel: 212-362-6000
www.abt.org


★プログラム日程
■5月13日(月)~18日(土)
 「道化師」振り付け:アレクセイ・ラトマンスキー
 音楽:リッカルド・ドリゴ
■5月20日(月)
 アレクセイ・ラトマンスキー10周年記念ガラ
■5月21日(火)~23日(木) ★世界初演
 「ラトマンスキー・トリオ」振り付け:ラトマンスキー
 音楽:レオニード・デシャトニコフ「ブコヴィナの歌」
 セルゲイ・プロコフィエフ「ドニエプルの上で」
 アレクサンダー・グラズノフ「プレミア」
■5月24日(金)~29日(水)
 「ホイップクリーム」振り付け:ラトマンスキー
 音楽:リヒャルト・シュトラウス
■5月30日(木)~6月3日(月) ★世界初演
 「サープ・トリオ」振り付け:トワイラ・サープ
 音楽:フィリップ・グラス「イン・ジ・アッパールーム」
 ブラームスとハイドンのヴァリエーション
■6月4日(火)~10日(月) ★世界初演
 「ジェーン・エア」振り付け:キャシー・マーストン
 音楽:メンデルスゾーン、シューベルト
■6月11日(火)~15日(土)
 「海賊」振り付け:K.セルゲィエフ、M.プティパ
 音楽:A.アダン、C.プーニ、L.ドリーブ他
■6月17日(月)~22日(土)
 「マノン」振り付け:ケニス・マクミラン
 音楽:ジュール・マスネ
■6月24日(月)~29日(土)
 「白鳥の湖」振り付け:K.マッケンジー、M.プティパ他
 音楽:チャイコフスキー
■7月1日(月)~6日(土)
 「眠れる森の美女」振り付け:アレクセイ・ラトマンスキー
 音楽:チャイコフスキー


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