2018年5月25日号 Vol.326

六本木男声合唱団ZIG-ZAG
「最後の手紙」
兵士らが残した手紙をまとめ



日本のアマチュア合唱団「六本木男声合唱団ZIG-ZAG」(三枝成彰団長)が、6月8日(金)カーネギーホールでコンサートを開催する。題して「最後の手紙―ザ・ラスト・メッセージ」。
この合唱団は、20〜80代の100余人のメンバーを擁する。アマチュア合唱団なのでそれぞれ本業を持ち、過去に羽田孜、鳩山由紀夫元首相らも在籍していたことがある。
母体は、1999年創設の「元美少年合唱団」。2015年に活動を終了し、翌年から「六本木男声合唱団ZIG-ZAG」と改名し活動を再開した。今回の公演には、団員104人、東京フィルハーモニーから80人余が来米する。最高齢は86歳だ。
演目「最後の手紙」は、ドイツの編集者ハンス・ワルター・ベアが出版した書籍「人間の声」を基に、三枝団長が作曲したもの。この書籍は、第二次大戦中の兵士らが残した手紙202通をまとめたものだ。「最後の手紙」の初演は2010年。13曲(13人の手紙)構成。
フランス、アメリカ、ブルガリア、ポーランド、イタリア、中国、イギリス、朝鮮、(旧)ソビエト、ドイツ、トルコの兵士らの手紙があり、日本人兵士のものも2通ある。
2曲目に演奏されるのが、ルソン島で戦没した桔梗五郎が妻に宛てた手紙だ。12曲目は、終戦後軍事裁判にかけられ、フィリピンで銃殺刑となった片山日出雄が、家族に宛てた手紙。
三枝は「残酷な戦争で、家族や恋人との絆が引き裂かれるようなことが、二度とないことを願います。英霊に捧げたい」との思いを、この「最後の手紙」に込めている。指揮は大友直人。

■6月8日(金)8:00pm
■会場:Carnegie Hall
 57th St. &7th Ave.
■一般$20、$30、$40、$50
 学生/シニア $15
www.carnegiehall.org
■問合せ:info@roominfinity.com



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