2020年6月5日号 Vol.375

日本人墓地・墓参会
1912年からの伝統絶やさず
NY日系人会


ニューヨーク仏教会のアール池田住職


参加者たち


ニューヨーク日系人会(JAA)が5月25日、毎年恒例のメモリアルデー墓参のために、クイーンズ区マウント・オリヴェット日本人墓地を訪れた。この墓地をJAAが1912年に購入して以来、ずっと続いている墓参会だ。

今年はパンデミックのため市内の非常事態宣言が解かれないまま、自宅待機令の中での異例の墓参会。クオモ・ニューヨーク州知事による「10人以下での宗教行事許可」に従い、ニューヨーク仏教会のアール池田住職=写真=をはじめ10人ほどが参加。全員がマスクを着用し、ソーシャルディスタンシングを保った。

式の前に日本人墓碑の前に花を植え、掃除をし、池田住職の読経で厳かに献花をした。池田住職は、「この事態の中で、墓参会ができ、先駆者に感謝と敬意を表し、将来への希望をつなげたことは大きな意味があります」と述べた。さらに住職は次にように続けた。

「お父さん、お母さんが生きていたらなんと言うかな?と、時々思うことがある。疫病チフスの時代を生きのびたお母さんは、いつも健康第一と言っていた。時には大丈夫?、がんばってと、今でも声をかけてくれる気がする。ここにいるご先祖様はいつも我々を守って下さっているということを忘れずに、どんな困難も乗り越えていきましょう!」

参加者はこの後、JAA創設者・高見豊彦先生の墓地にもお参りをした。この日の参加者は、池田住職の他に、大橋建男ニューヨーク総領事館領事部長、竹田勝男JAA副会長、野田美知代JAA事務局長、ライオンズクラブの三木伸夫さん、原茂佳正・和美夫妻、ニューヨーク育英学園の岡本徹校長と上妻雅浩事務局長。


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