2019年6月14日号 Vol.354

革新的なインディペンデントの新作紹介
監督の個人的体験ベースに
「BAMシネマフェスト2019」

フェアウェル
オープニングナイトを飾る「フェアウェル」 The Farewell, Photo Courtesy of A24

ギブ・ミー・リバティ
「ギブ・ミー・リバティ」 Give Me Liberty, Photo Courtesy of the filmmaker

デ・ロ・ミーオ
「デ・ロ・ミーオ」 De Lo Mio, Photo Courtesy of the filmmaker

サウス・マウンテン
「サウス・マウンテン」 South Mountain, Photo Credit:Courtesy of A24


ブルックリンのBAMローズシアターで6月12日(水)から23日(日)まで、「BAMシネマフェスト」が開催される。
今年で11回目を迎える同フェスティバルは、アメリカのみならず世界各国から革新的なインディペンデントの新作を紹介。今年は、監督の個人的な体験に基づく作品が多数ラインナップされている。

オープニングナイトは、ルル・ワン監督の「フェアウェル」。
中国で生まれ、アメリカで育ったビリーは、故郷で暮らす家長のナイナイが末期がんに侵されたことを知る。一家はその事実をナイナイに隠し、その余生を楽しいものにしようと、ウソの結婚式を企画する。中国が祖国だとは感じられないビリー、日本に引っ越して中国語を話さない叔父やいとこなど、各地に散らばっていた家族が故郷に集まり…。
中国系アメリカ人、ワン監督の実体験に基づいたもので、家族の絆をコミカルに暖かく描いた作品。

センターピースは、キリル・ミカノフスキー監督の「ギブ・ミー・リバティ」。
ミルウォーキーで、メディカル・トランスポート(介護タクシー)のドライバーとして働くロシア系アメリカ人のヴィック。彼の不運は、めまいがするような利用客との出会いだった。葬式に参加しようとするロシア人の老人たち、エルビス・プレスリーをこよなく愛するファン、厄介なボクサー、ALSを煩った若い女性…。ヴィックの車窓は、アメリカ社会の豊かさと複雑さを映し出す。
ロシアで生まれ、モスクワで育ったミカノフスキー監督。ミルウォーキーに引っ越した監督の体験を元にしたコメディ・ドラマ。

クロージングナイトは、ダイアナ・ペラルタ監督の「デ・ロ・ミーオ」。
ニューヨークで育った姉妹、リタとカロリーナ。親の離婚で離ればなれになった兄のダンテに会い、亡くなった父の家を片付け処分するために、ドミニカ共和国へと向かった。彼らはそこで、過去の喜び、痛み、トラウマと再び向き合うことになる。
ニューヨーク在住でドミニカ系アメリカ人、ペラルタ監督の長編デビュー作品。

スポットライト作品は、ヒラリー・ブロウガー監督の「サウス・マウンテン」。
キャッツキルに住むコミュニティカレッジの教師のライラは、母や夫、子どもに囲まれ、穏やかに暮らしていた。ある日、夫から別の女性との間に子どもが出来たと告げられ、家族の均衡が崩れていく。
壊れた家族の絆をテーマにしたラブストーリー。
全スケジュールと詳細は、オフシャルサイトで。

BAMcinemaFest 2019
■6月12日(水)〜23日(日)
■会場:BAM Rose Cinemas
 Peter Jay Sharp Building
 30 Lafayette Ave., Brooklyn
www.bam.org


★The Farewell
■6月12日(水)
 7:10pm/7:20pm/7:30pm
■$30、映画+パーティ$50

★South Mountain
■6月15日(土)7:30pm
■$20、メンバー:$15

★Give Me Liberty
■6月17日(月)7:30pm
■$20、メンバー:$15

★De Lo Mio
■6月22日(土)7:30pm
■$20、メンバー:$15



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