2018年6月15日号 Vol.327

日本画家夫妻「自然」テーマにそれぞれ個展
原田隆志「Seasons」
佐藤可英「Odyssey」

佐藤作
(上)佐藤作「Odyssey」 (下)原田作「In a Dream」

佐藤作


ニューヨーク市在住の日本画家夫妻、原田隆志と佐藤可英(かえ)が、6月いっぱいマンハッタン北部のインウッド地区の別会場(詳細別記)で、それぞれに個展を開いている。
いずれも、地元団体「ノーザンマンハッタン・アーツアライアンス」恒例の年次アートイベント「Uptown Arts Stroll 2018」の一環だ。夫妻にとってインウッドは地元。今回初めてこのアートイベントに参加する。

二人の作品の土台にあるテーマは「自然」だが、今回の展示作品にはインスピレーションとなる、意外な日本人移民の歴史がある。戦前インウッドには日本人居住地があり、そこには、後にナショナルジオグラフィックの専属イラストレーターになった日本人画家も住んでいた。そのことを夫妻は、地元の歴史愛好家コール・トンプソンさんのブログから知ったという。
「過去にこのインウッドに住み、自然を題材にイラストを描き、その能力を認められた日本人画家がいたのです」と原田は話す。原田の個展「Seasons」の会場は、ほかでもない、トンプソンさんがエージェントとして働く地元の不動産会社のオフィススペースだ。
妻・佐藤の個展「Odyssey」は、マンハッタンに唯一残るダイクマン・ファームハウス・ミュージアムという歴史資料館で開催されている。動物、昆虫、植物、大気の長い歴史と人生の記憶を、日本画を通して探る。個展は、アートイベント終了後も、8月末まで継続される。
今回の二人の展覧会では、インウッドに住んだ日本人たちへのオマージュとして、コールマンさんのブログ記事も同時にパネル展示している。

★原田隆志「Seasons」
■6月30日(土)まで
日曜閉館
■会場:The New Heights Realty
634 W. 207th St.


★佐藤可英「Odyssey」
■8月26日(日)まで
月〜水休館
■会場:Dyckman Farmhouse Museum
4881 Broadway
■TEL: 212-304-9422
dyckmanfarmhouse.org


ノーザンマンハッタン・
アーツアライアンスHP:
www.nomaanyc.org



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