2020年6月19日号 Vol.376

経済再開!
NYCは22日からフェーズ2に移行

人種差別への抗議活動が続く中、ニューヨーク市も6月8日に無事、経済再開のフェーズ1まで漕ぎ着けた。6月22日からは、いよいよフェーズ2に移行する。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、プロテストによる感染者数増加を懸念し、「プロテストに参加した人は全員、速やかに検査をうけるように」と促している。プロテスト参加者専用の検査サイトも設けられた。ここではフェーズ1〜4の内容をおさらいするとともに、NY市民全員に勧められるコロナウイルス検査について、編集部の体験談を紹介する。


★それぞれの産業への経済再開ガイドライン詳細はNY州「NYフォワード」で
forward.ny.gov

★自分の業種がどのフェーズに属するかの判断は NY州「ビジネス・リオープン・ルックアップ・サイト」で
www.businessexpress.ny.gov



フェーズ1では、一般市民の生活にはそれほど大きな変化はなく、ほとんどの市民は、引き続き自宅待機。一般市民に直接関係がありそうなのは「小売業」で、これには、衣類、ファッション、家電、家具やホームインプルーブメント、花屋、宝石店、文房具屋、靴屋やスポーツ店など、あらゆる小売店舗が含まれる。

ただし、消費者が店内で自由にショッピングすることはできない。あらかじめオーダーし、受け取りは配達・店頭または道路脇で行う。受け取り時に、6フィートのソーシャルディスタンシングを遵守できるよう、店側は印をつけるなどの対応が求められている。

消費者側も、商品の受け取り時にはマスクを着用、ソーシャルディスタンシングを保つなど、感染予防のための指針を守ること。支払いも、なるべく「touchless payment」が奨励されており現金での支払いを避け、オンラインか電話で、カードで前払いをすることが望ましい。



すでにフェーズ2、フェーズ3に入ったエリアはあるが、NY市のフェーズ2への移行は、6月22日と予定されている。

一部の場所で、大勢がマスク無しでバーやレストランの店先に集まり、ソーシャルディスタンシングを守らず飲酒している現状を受け、クオモNY州知事は「再開ガイドラインを守らない場合、店舗にはリッカーライセンスの剥奪、個人には罰金を科す可能性がある」と発言。州民に引き続き、「スマートな対応」を求めている。

また、モールやスポーツジム、映画館、カジノ、遊園地などは、フェーズ2での再開は許可されていない。


6月12日から、フィンガーレイクス、サザンティア、セントラルNY、モホークバレー、ノースカウンティがフェーズ3に移行し、6月16日からウエスタンNYが、6月17日からキャピタルリージョンが、フェーズ3に移行した。さらに、6月23日(火)からミッドハドソンエリアが、6月24日(水)からロングアイランドがフェーズ3に移行する予定だ。フェーズ3で再開されるのは上記の2つ。

パーソナルケア産業とは、ネイルサロンや、マッサージセラピー、タトゥーパーラー、タニングサロンなどを指す。従事者と顧客の接触は避けられない業種なので、規制も厳しくなる。店内に収容可能な人数の50%以内に止めることも条件の一つ。

飲食店も同様に、店内に収容可能な人数の50%以内に止めることが条件。店内席、アウトドア席いずれも、6フィートのソーシャルディスタンシングが守れるよう、テーブルの配置を工夫し、顧客の着席状況を管理しなければならない。マスクの着用も必須。同じテーブルに一緒に着席できるのは、一緒に来店した単一グループの10人まで。他人との相席は不可。このほかいろいろ規制が課せられる。


まだ未知のフェーズと言ってもいい。州のサイトでも、6月15日現在、まだほとんど何の情報も掲載されていない。このフェーズで再開されるのは上記の産業。つまりは、ブロードウェイの劇場や、映画館、画廊、美術館などが最後にオープンすることになる。学校も、アメリカは9月から新学年が始まるので、それまでにフェーズ4に行けるかどうかは、この夏の経過次第ということだ。


公共交通機関は
マスク着用を


地下鉄、バス、LIRR(ロングアイランド鉄道)、メトロノースを利用する際は、必ずマスクを着用すること。駅構内には、ハンドサニタイザーと予備のマスクが完備されている。

地下鉄&バス
市の経済再開フェーズ1では、平日の地下鉄は平常運行に戻り、経済閉鎖中より便数も増えた。バスの運行も平常化し、長距離のエクスプレスバスの運行も開始された。引き続き午前1時から5時までは、殺菌作業のため運休となるが、その代わりとしてバスが増便されている。

地下鉄駅のブースでの、現金によるメトロカード販売は中止している。ベンディングマシンを利用すること。バスに乗る際は、後部ドアで乗り降りするよう奨励されている。

LIRR(ロングアイランド鉄道)
フェーズ1では、チケットは終日オフピークの値段が適用されている。ペン駅、ジャマイカ駅、アトランティック駅の窓口はオープンしているが、各駅の待合エリアなどは引き続きクローズ。ペン駅のカスタマーエリアは24時間オープン。

駅の窓口、車両内での支払いに、現金は受け付けない。チケットの購入はベンディングマシン、またはMTA eTixアプリを利用すること。紛失物の取り扱い事務所は再オープンしている。

メトロノース
フェーズ1では、チケットは終日オフピークの値段が適用されている。ピークアワーに増便中。

チケット窓口はクローズ。車内での支払いに現金は受け取らないが、ベンディングマシンでは現金も受け付ける。またはMTA eTixアプリを利用すること。

MTA(地下鉄、LIRR、メトロノース)と経済再開について
new.mta.info/coronavirus/reopening-plan


(内容は6月18日にアップデートした情報です・編集部)


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