・写真左:若手作家作品が並ぶ「M 2 3」(Photo Courtesy M 2 3, New York)・写真右:前身はホテルだった「Marinaro」(Photo Courtesy Marinaro, New York)
前身はホテル、それ以前は葬儀場だったという建物自体がユニークなのは、「マリナーロ」だ。地下の2フロアにも展示スペースが広がり、配管剥き出しの薄暗い空間はそれ自体がアートのよう。扱い作家の個展ほか、他の画廊や在野のキュレーターと共同で企画するグループ展など、仲間意識に溢れた展示もみどころだ。
Srijon Chowdhury, Moth on a Poppy, 2021. Photo by Charles Benton. Courtesy Srijon Chowdhury and Foxy Production, New York
チャウダリーは、バングラデシュの出身で、11歳のとき家族でアメリカに移住。父親が首都ダッカで画廊を経営していたため、子供の頃から西洋画に親しみ、19世紀末フランスの象徴主義に関心があるとも語っている。なるほど、当時の画家オディロン・ルドンやギュスターブ・モローに重なる内省的な絵画世界。写実を超える色の選択も独特だ。