2019年7月12日号 Vol.353

「不思議の国のアリス」がテーマ
妖艶なバーレスク・ショー
「クイーン・オブ・ハート」


All photos courtesy of Company XIV "Queen of Hearts"


セクシーでゴージャスな「バーレスク・ショー」を上演する「カンパニー・フォーティーン(Company XIV)」(以下C14)の新作「クイーン・オブ・ハート」が、ブルックリンのブッシュウィックで公演中。オペラ、サーカス、バロックダンス、バーレスクダンスなどのパフォーマンスとライブ音楽に、ジョークを効かせた大人のショーだ。入場は21歳以上。

本作は、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」がテーマ。C14はこれまでにも、「スノーホワイト(白雪姫)」、「シンデレラ」、「ナットクラッカー(くるみ割り人形)」など、世界中で愛されてきた古典作品を、艶かしいバーレスク・ショーへと「進化」させている。

ディレクターは、C14創設者で芸術監督、振付家のオースティン・マコーミック。バロック様式と現代カルチャーを融合させ、ユニークな世界観を作り上げる。
衣装とセットデザインはゼイン・ピルストロム。8年間、C14のプロダクションを手掛けてきたピルストロムは、官能的なショーに欠かせない存在。
ステージを怪しく彩る照明デザイナーは、ジャネット・ オイスック・ユー。彼女の仕事は、斬新な光を用いたカラヴァッジョ(バロック期のイタリア人画家)に例えられ、「ネオンで描かれたカラヴァッジョの絵画」だと評されている。
音楽は、オッフェンバッハ、ロッシーニ、チャイコフスキーなどのクラシックから、ニール・セダカ(ポップス)、ニーナ・シモン(ジャズ)、リアーナ(R&B)など幅広い。

会場もまた、作品を盛り上げる要素のひとつ。近世ヨーロッパの雰囲気が漂う退廃的な空間で、洒落たホストたちが来場者を出迎える。また、ミステリアスな名前が付けられたカクテルやシャンパンなどを楽しめるのも魅力だ。NYタイムズ紙は「ミュージックホール、キャバレーシアター、ダンスが巧みに融合されたエンターテイメント」と評している。

ウサギを追いかけ、穴に落ちたアリス。そこで出会ったのは、妖艶なハートの女王が支配する不思議な国に集う、エキゾチックでセクシーな住人たちだった。
よみタイム・ルポ
「美しいお尻に目が釘付け・・・」


ブッシュウィックの会場「Théâtre XIV 」は、Company XIV公演専用の劇場で、中に入った途端、インセンスの香りが来場者をグンと非日常の世界へ引き込みます。座席もソファー席があったり、飲み物を置くミニテーブルがあったりと、キャバレー風。チケット料金によって異なりますが、良い席では「ハートの女王」のカクテルも付いてきます。

パフォーマーたちは、ため息が出るほどの筋肉美の持ち主ばかり。それも全員Tバックで、美しいお尻に目が釘付けに・・・(笑)。音楽にダンス、アクロバットなど、ショーはビジュアル主体で展開するので、台詞の聞き取りの心配などもなく、純粋に楽しめます。「ハートの女王」や「ホワイトラビット」など、アリスにちなんだカクテル($17〜)を傾けながら、艶やかな大人のバーレスク、デートナイトにもぴったりでしょう。バチェロレットパーティでも盛り上がりそう。ちょっとお洒落してお出かけを。

ちなみに、オフィシャルな上演時間は2時間15分と案内されていますが、参加した際は、2回の休憩を入れて2時間40分。8時開演で終演は10時半を過ぎますので、帰路には十分ご注意ください。(編集部:YT)

QUEEN OF HEARTS
■8月18日(日)まで
■会場:Théâtre XIV
383 Troutman St., Brooklyn
■シングルチケット$75〜
VIPカップルチケット$325〜
■入場21歳以上
■上演2時間15分
companyxiv.com


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