2018年7月27日号 Vol.330

グループ展「PEACE 2018」
記憶の引き継ぎ試みる
平和テーマに10人

竹田あけみ
竹田あけみ Meltdown3

藤原未佳子
藤原未佳子 The Southern Cross

池田佳子
池田佳子 GakkoBosatu


平和を考えるグループ展「PEACE 2018」が、8月1日(水)から21日(火)、金融街のインターナショナルセンターで開催される。1945年8月の広島・長崎への原爆投下の歴史を踏まえ、悲惨な歴史が二度と繰り返されないよう、核の現実を直視し、次世代へ記憶の引き継ぎを試みる8月恒例の展覧会だ。
参加アーティストは10人。いずれも、ニューヨーク市近郊在住の作家だ。各作家からの平和へのメッセージは以下の通り。
▼荒木新子「人類誕生以来、人間の興味と欲望は尽きることがありません。唯一の生き物ではないはずの私たち。この地球を破滅に追いやることがないよう祈るばかりです」
▼藤原未佳子「兵隊だった祖父は、青春時代に心を砕かれ、絶望しかなかった。『二度と戦争はしたくない。モノはなくても今は幸せだ』と、私を可愛がってくれた祖父の温かい愛を心に留めていきたい」
▼船山直明「恐竜の極端な進化は、彼らの絶滅の原因の一つともされています。核兵器も極端過ぎるものであり、人類を消滅しかねません。恐竜たちは言うのだ、核兵器はたくさんだ。世界平和を!!」
▼池田佳子「数ある人災の中でも戦争は最悪だ。家族の団欒が一瞬にして崩壊し、核爆発の影響は末代まで続いて生態系の破壊につながる。私は作品に託して祈る。人々が日々平穏でありますように」
▼美貞金「光の舞い、雫の滴り、土の薫り。微風と波紋と私の交歓。私は自然の一部。美しい地球に抱かれることの幸せ、いつまでも」
▼越光桂子「広島・長崎への原爆投下、福島第一原発3号機の爆発で、日本はついに軍事・民事の双方で原子力の犠牲となった。この不幸をふまえて、日本は世界のエネルギー問題において脱原発の責務を全うすべきだ」
▼神舘美会子「被爆は人だけでなく樹木にとっても深刻だ。樹木は生命の象徴であり、その集合としての森は動物・植物の多くの生命を育む広大な宇宙だ。森を守ることは生命を守ることである」
▼長倉一美「平和な世界をつくるのは、私たち一人ひとり。私たちが集合意識として選んだ世界を実現させよう。時すでに遅しとなる前に、真剣に平和を選択し、平和な世界を築いていこう」
▼竹田あけみ「冷戦時代の名残であるフォールアウトシェルターを見ると、日本の原爆被害やその影響を一番よく知っているのはアメリカではないか。福島原発の影響も、日本より世界のほうが分かっているのではないか」
▼渡辺イズ「争いの無意味さと戦争の残酷さを忘れてはいけない。基本的人権がすべての人に平等に保証されるその日まで訴え続けよう」

■8月1日(水)~21日(火)
 レセプション:8月6日(月)・10日(金)
 5:00~7:00pm
■会場:International Center of CCCS
 80 Maiden Lane, 14th Fl.
 TEL: 646-794-3745
www.newintlcenter.org


HOME