2022年8月5日号 Vol.427

「私たちの音楽は銃だ」
ウクライニアン・フリーダム・オーケストラ 
リンカーンセンターで無料公演

①ワルシャワで行われたウィルソン指揮によるウクライニアン・フリーダム・オーケストラのリハーサル風景Photo © Karpati Zarewicz / Teatr Wielki

リンカーンセンターの野外ステージ「ダムロスチ・パーク」で8月18日(木)と19日(金)の2夜に渡り、「ウクライニアン・フリーダム・オーケストラ」=表紙写真と①=による無料公演が行われる。リンカーンセンターで開催中のプログラム「シティーの夏(Summer for the City)」の一環だ。



長引くウクライナ戦争の犠牲者を支援しようと、メトロポリタン・オペラとポーランド国立オペラが協力し、「ウクライニアン・フリーダム・オーケストラ」を結成。メンバーは、ウクライナだけでなく、戦争や動乱によって祖国を追われた人々も参加。7月28日、ポーランドのワルシャワを皮切りに、ヨーロッパとアメリカを巡る「フリーダム・ツアー」を展開している。

②ケリーリン・ウィルソン(Keri-Lynn Wilson)Photo by livia Kahler

オーケストラを率いるのは、「バトンを持った魔法使い」(ガーディアン紙)と記されたウクライナ系カナダ人のケリーリン・ウィルソン=写真②=。

プログラムは両日共にシルヴェストロフの「交響曲第7番」、ショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を演奏。加えて18日はベートーベンのオペラ「フィデリオ」とブラームスの「交響曲第4番」が、19日はヴェルディのオペラ「アイーダ」とドヴォルザークの「交響曲第9番」がそれぞれ披露される。アンコールはウクライナ国歌だ。

タイムズ紙(イギリス)のインタビューでウィルソンは、「私たちの音楽は銃だ」と語り、ウクライナ政府もまた、「逆境を芸術の力で乗り越えようと、武器を置き、楽器を手にする彼らを応援している」としている。

Ukrainian Freedom Orchestra: Freedom Tour
■8月18日(木)・19日(金)7:30pm
■会場:Damrosch Park(@リンカーンセンター)
 Amsterdam Ave. & W. 62nd St.
■入場無料・先着順
■https://www.metopera.org

★ウクライナ・アーティスト支援サイト
https://donate.arts.gov.ua/en


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