2022年8月5日号 Vol.427

風光明媚な野外シアターで
3作品を上演
「ハドソン・バレー・シェイクスピア・フェスティバル」

テント内の様子 Photo by facebook.com/hvshakespeare

マンハッタンから車で約1時間、風光明媚な街・ギャリソンで「ハドソン・バレー・シェイクスピア・フェスティバル(HVSF)」が開催中だ。

7月15日、「ロミオとジュリエット」で開幕した今シーズンの上演は、3作品。遠くに山を望む美しい景色を背景に、人間ドラマが繰り広げられる。



10代の悲恋を描いたシェイクスピアの有名戯曲「ロミオとジュリエット」=写真②=。演じるのは、結婚歴38年の熟年夫婦、カート・ロードス(ロミオ)と、ナンス・ウィリアムソン(ジュリエット)だ。「若さ」とは表面だけのもの、真の美しさとは「魂の質」であり、愛はすべてを征服すると伝える。

②「ロミオとジュリエット」Photo by T. Charles Erickson facebook.com/hvshakespeare

アン・ウォッシュバーンによる戯曲「ミスター・バーンズ:ポストエレクトリック・プレイ(Mr. Burns, A Post-Electric Play)」=写真③=は、作曲家、マイケル・フリードマンの曲をフィーチャーしたコメディー。社会が崩壊し、記憶がハードドライブに保存できなくなった近未来、生き残った人々が集まり、テレビアニメ「シンプソンズ」のエピソード「ケープフィア」について話しはじめる。ある時代のポップカルチャーが、時代が変わることで「神話」になっていく過程をユニークに描く。

③「ミスター・バーンズ:ポストエレクトリック・プレイ」Photo by T. Charles Erickson facebook.com/hvshakespeare

モヒカン族の劇作家でパフォーマーのマデリーン・サイエが手がけ、出演する「私たちの居場所(Where We Belong)」(8月14日から)。サイエ自身がシェイクスピアを研究するため、イギリスを旅した経験を軸にした一人芝居。シェイクスピアと植民地主義、文化的遺産などを通し、自らの拠り所を探す。

テント内の様子 Photo by facebook.com/hvshakespeare

パフォーマーと観劇者が近いため、演目・座席の場所によりマスク着用が義務付けられている。また新型コロナウイルス・ワクチン接種(2回以上)完了を求めており、写真付きIDとともに証明書を提示すること。

▼電車での行き方
グランドセントラル駅からメトロ・ノースの「ハドソンライン」で「ギャリソン駅(Garrison)」下車(約80分)、会場まではタクシーで。金〜日の午後4時半から7時半までは駅から会場までの無料シャトルバスが運行、「HVSF」のロゴが描かれたバスが駐車場で待機している。予約不要。

Hudson Valley Shakespeare Festival(HVSF)
■9月18日(日) まで (雨天決行)
■会場:2015 Route 9, Garrison, NY 10524
■Box Office:Tel: 845-265-9575
 boxoffice@hvshakespeare.org
■料金:$10〜
https://hvshakespeare.org


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