2021年9月17日号 Vol.406

多様性が生んだニューヨーク・サウンド
「ニューヨーク、ニューミュージック:1980〜1986」

展示風景 Photo courtesy of Museum of the City of New York

ニューヨーク市立博物館で、ニューヨークの音楽シーンを特集した展示「ニューヨーク、ニューミュージック:1980〜1986」が開催中だ。ラッパーのLL・クール・J=表紙写真=、ロックバンドのトーキング・ヘッズ、サックス奏者のジョン・ゾーン、スーパー・スターのマドンナなど、幅広い音楽とその背景を検証する。



高い犯罪率が社会問題になっていた1970年代・80年代のアメリカ。中でもニューヨークは「最も危険な地域」として認識され、街は衰退の危機に直面していた。そんな時代背景が、音楽やアートなどの創造性を大きく後押ししたという。同館キュレーターのショーン・コーコラン氏は次のように述べている。

展示風景 Photo courtesy of Museum of the City of New York

「80年代、ニューヨーク市ではコミュニティが主導した『音楽ルネッサンス』が誕生。ノー・ウェイヴ、パンク、ポップ、ヒップホップ、サルサ、ジャズまで多様で実験的な音楽が、クラブやバー、劇場、公園、アートスペースを駆け巡り、ダイナミックなアートシーンとして繁栄しました。『音楽革命』の基盤となり、今日のポップカルチャーに影響を与え続けています」

展示風景 Photo courtesy of Museum of the City of New York

1981年に誕生したMTVチャンネルは、音楽を「聴く」ものから「観る」ものへと変化させた。その一方で、ニューヨーク市の路上から生まれた新たな音楽ムーブメント。同展は、多様性から生まれたユニークな「ニューヨーク・サウンド」を再発見させる試みだ。

入場は時間予約制で、最低1回のワクチン接種証明と身分証明の提示が求められる。2歳以上、すべての来場者はマスク着用のこと。

New York, New Music:1980–1986
■開催中:金〜月10am–6pm(火〜木:休館)
■会場:Museum of the City of New York
 1220 Fifth Ave at 103rd St.
■大人$20、学生/シニア(65+)$14、20歳未満無料
https://www.mcny.org


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